さんざしのつるぎ


あなたの汗の匂いのする 温かな闇の中を
さんざしの剣を手に 進んでいこう

からみつくものたちを 振り払い 払いのけ
やがて たどりつく
あなたの 奥の 奥の
いのちの 底の 底の
古い 樫の扉の向こう
はだかの赤子のように眠る
あなたの やわらかなたましいを
さんざしの剣で 私は貫く
あなたの血潮は 涙のように 私の頬を伝うだろう

あなたの鼓動の聞こえる やわらかな闇に棲んで
一日に千回 さんざしの棘であなたを苛み
やがてゆっくりと死んでゆくあなたの中で
あなたの温かな血に溺れ
あなたとともに 私も 死のう

あなたの血に濡れて
あなたの闇に棲む
私は あなたのもの
えいえんに あなたのもの



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