ここではないどこか、森と荒地の広がる大地には、
それぞれに文化や身体的特徴が異なる幾つかの種族が住んでいる。
その内のひとつ、幼時には毛皮と尻尾がある小柄で温和な<森の民>は、
外界から隔絶された森の奥の母系制の集落で太古から変わらぬ狩猟と採集の生活を営む素朴な種族。
外界への警戒心は強いが、おおらかで愛情深く、争いを嫌う平和的な人々である。
丈高く頑健な <荒地の民>は、山羊を追いながら荒野を流離う流浪民。
名誉と秩序を重んじる厳格な文化を生きる、誇り高く苛烈な人々である。
これは、それぞれの世界で生まれ、生き、愛し、死んでゆく人々の、ささやかな人生の小さな物語。
----- 目次 ----- † <森の民>の物語 (連作短編/完結済) 1 おかあさんの木 2 恋の季節 3 おとうさんが来る日 4 エピローグ・夏告げ鳥の頃 ■おまけ:『〈森の民>の物語』番外編『テル・トールマンの手記』 |
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掲載サイト:カノープス通信
http://www17.plala.or.jp/canopustusin/index.htm