イルファーラン物語

★キャラクター紹介★
付:脇役・端役人名リスト1・2(末尾にあります)

アルファード
 羊飼いの若者。二十二歳(推定)。
 十二年前、川辺で倒れていたのを村の老人に拾われ、異世界からの来訪者<マレビト>として遇されてきたが、本人は、この村に来る前の記憶の一切を失っている。
 全国武術大会の優勝経験者であり、村を脅かすドラゴンを何頭も退治して、<ドラゴン退治のアルファード>と讃えられる村の英雄だが、誰もが魔法を使えるこの世界で一人だけ魔法を使えないことに、強い劣等感を持っている。
 村人たちには、「温厚・誠実・冷静な、非の打ちどころのない人格者」と信じられているが、無口で、感情をあまり表に出さず、何を考えているのかよくわからないところのある男である。
 女性と子供と焼き菓子が苦手で、動物(特に犬)が好き。
 性格は、真面目で律儀で几帳面(ちなみに血液型はA型)。得意技は『知らんぷり』。


里菜(リーナ、エレオドリーナ)
 十七歳。ただの内気な女子高生だったが、なぜか別の世界に迷い込んで、気を失って川辺に倒れていたところをアルファードに拾われた。小柄で童顔なので、子供と勘違いされてアルファードに引き取られる。
 引っ込み思案で人見知りする性格で、いかにもか弱くあどけない清楚な容姿と相まっておとなしそうに思われがちであるが、実は結構、辛辣で、芯は強い。でも、ちょっとズレてる。しかも、トロい。
 オクテで世間知らずで、ぼーっとしたところがあり、身体虚弱で運動神経ゼロ。儚げな見かけによらず図太く大雑把な一面も(ちなみに血液型はO型)。得意技は『天然ボケ』。


ローイ(エルドローイ)
 アルファードの親友。十九歳。陽気でお調子者の、農家の放蕩息子。
 自称『村一番の色男』で、三度の飯より女の子が好き。
 歌が得意で弓の名手、電信柱のような長身痩躯で、あだなは『カカシ』。痩せの大食い、馬鹿力。
 奇抜なファッションと軽薄な言動、怠惰な生活ぶりで村の大人たちの顰蹙を買っている極楽トンボだが、非常に気のいい若者で、実はすごく子供好き。でも、酒癖が悪い。
 五人兄弟の末っ子で、両親はすでに亡く、長兄夫婦と同居中。
 得意技は『おちゃらけ』。里菜に一目ぼれするが……?


ヴィーレ
 アルファードの幼馴染である、隣家の一人娘。十九歳。やさしく家庭的でしっかりもの。
 兄同然のアルファードにひそかに淡い想いを寄せ、何かと世話を焼いている。
 ヴィーレの父は村の世話役であり、アルファードの後見人でもある。
 得意技は家事全般。


ニーカ(キャテルニーカ)
 滅び去った妖精族の血筋の証の黒い肌と緑の瞳を持つ、謎の超美少女。
 十一歳だが、言動が年の割りに妙に幼く、妖精の血筋の特徴で小柄なこともあって、一見、もっと年下に見える。
 首都イルベッザを目指して旅立った里菜たちの前に突然現れ、共に旅をするようになるが、何を訊いてもとんちんかんで、言うことやること幼児並み、『天はニ物を与えず』との諺どおり、絢爛豪華なこの美少女は少々オツムが弱いのか?
 が、不自然な出会い方といい、やたら高価そうな衣装といい、要領を得ない言動の端々にちらつく怪しい影といい、なにやら、いかにもいわくありげな少女である……。
 得意技は『もの忘れ』。


ユーリオン(リオン)
 イルファーラン国<賢人会議>の<長老>。元・国立上級学校学長で、神話学者。三十五歳、独身。
 気さくな人柄で、人当たりが良く、知的で端正な容姿と上品な物腰に女性ファンも多いが、ちょっとキザである。
 気が若く、若い者を連れて飲みに行くのが大好きで、酔うと、とんでもない笑い上戸になる。実は結構ミーハー。
  <賢人>仲間のファルシーン女史とは、何かワケありの仲らしいが……?
 口癖は、『予算がない』。
(ちなみに、当サイトで公開中の創作民話『美しいシルグリーデ姫』は、『彼がこの物語の時代の数年後に著した本からの引用』という設定になってます)


<賢人>たち
 ユーリオンを含めた<七賢人>からなる学者集団<賢人会議>は、すっかり弱体化してはいるが、一応、この国の最高議会である。
 が、七人の<賢人>たちときたら、そろいもそろって大雑把でいいかげんでミーハーなイルベッザ気質丸出し。最年長のファドゼールの得意技は『会議中の居眠り』と『都合の悪い時のボケたふり』。しかも、高齢を武器に同情を引いては若い娘をすかさず口説く不届き者。この国の将来って、いったい……?


リューリ(リドリューリ)
 国立治療院の治療師。妖精族の血を引く褐色の肌の美少女 (妖精族の末裔は美形が多いことで有名である)。十七歳。姉御肌。華やかな美貌とさばけた気性で治療院の人気者。
 火の玉の攻撃魔法が得意で『火の玉リューリ』とあだ名される、白衣の暴れん坊。
 親子ほども年の離れたユーリオンに四年越しで片想いしているが、相手にされていない。
 ユーリオンの紹介で里菜と親しくなるが、その迫力に、アルファードはたじたじ……。
 得意技は『睨みつけ』。


『魔王』(死神タナート)
 里菜の夢に繰り返し現れて里菜を誘惑する、黒衣の死神。
 今は『魔王』と名乗っているが、本来の姿は、夜と死を安息を司って生命の女神エレオドリーナと並び立つ男神タナートであるらしい。
 里菜をエレオドリーナと呼んで、妻にと望み、自分の住む北の荒野におびきよせようと執拗に画策する。彼を崇める謎の宗教団体『タナティエル教団』も里菜の身辺で見えつ隠れつ跳梁し、里菜を脅かす。彼らの目的は何なのか?
 ちなみにこの死神さん、ずっとフードで顔を隠し続けていて、里菜には『ロリコンじじい』と決め付けられていますが、お話の最後の方でフードを取ると、実は超美形なのです。
 得意技は『バカ笑い』。



脇役・端役人名リスト1(第二章まで)
『イルファーラン物語』は長さの割りに登場人物が少ないお話ではありますが、連載の進行に伴い、多少はキャラが増えてきたので、簡単な人名辞典をつくってみました。(上の『キャラクター紹介』に登場する人は除く)
第二章末までに登場する、名前のあるキャラのリストです(名前だけしか登場しない人も……)。


ミュシカ ……アルファードの牧羊犬。
レグル ……アルファードの育て親の老人。故人。
ティーティ ……女神の司祭。幼い少女。
ドリー・ミナト(ミン)・ユーサ・レサ・ヴィヴィ ……村の娘たち。
カーデ・ナーク・シゼグ・ディード ……村の若者たち。自警団員。
ガイル ……村の男。廃人のようにいつも広場に座っている。
ファール ……ガイルの兄。
オード ……村の偏屈な老人。広場で里菜を罵る。
シャーノ ……村の少年。羊飼い志望で、アルファードからミュシカを譲り受ける。
ゼルクィール ……タナティエル教団の年取った導師。
ギルデジード ……タナティエル教団の最高導師。(まだ名前しか出ていない)
アムリード ……山賊(タナティエル教団ヴェズワル派)の首領。(名前しか出てこない)
イリューニンのビエル ……山賊の一人。
アルムイード ……歴史上の人物。イルベッザ王。
ユーディード ……歴史上の人物。イルゼール出身の魔法使いで、アルムイード王の軍師。
ラドジール ……歴史上の人物。カザベル王。魔物として伝説になっている。
シルグリーデ姫 ……おとぎ話の登場人物。




脇役・端役人名リスト2(第三章分)

ファルシーン(シーン) ……七賢人の一人。30代半ばのキャリア・ウーマン。軍務担当。
ファドゼール(ゼール) ……七賢人の最年長。剽軽じいさん。
ユール ……七賢人の一人。妖精の血筋で、一見美青年に見える40歳。治療院の院長を兼務。
グード ……軍の入隊受付事務を担当している初老の事務官。
ラドジール ……特殊部隊員の一人。アルファードの同室者。カザベル王ラドジールにあやかって命名された。
エルティーオ(ティーオ) ……リューリの従弟。15歳の天才学者。アルファードの大ファン。
フェルドリーン(リーン) ……治療院でアルバイトしながら学校に通っている勉強好きで努力家の少女。(後にユーリオンと共同で『イルベッザ風俗史』を著す)
ニーニ ……ローイが働いていた酒場のウェイトレス。



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