第一回イルファーラン・キャラ人気投票結果発表
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第一章終了記念・『イルファーラン物語』キャラ人気投票の結果です。
投票期間は2002年11月20日〜2003年1月5日の、約一ヶ月半。
総投票数は203にもなりました!
投票してくださった皆様、本当に本当に、ありがとうございましたm(__)m
*お詫び*
投票締め切り後、投票所へのリンクを切っただけで投票所を削除をしなかったら、その後も票が入っていました。
締め切りに気づかず投票してしまった皆様、申し訳ありませんでした。
(締め切り後に投票していただいた票は、この下で、参考データとして紹介させていただいています。
コメントも、締め切り前のコメントに追加させていただきました)
<投票結果> | |
1位 ミュシカ 2位 魔王 3位 里菜 4位 アルファード 5位 ローイ 6位 ヴィーレ 7位 導師ゼルクィール 合計 |
53票 49票 37票 35票 23票 4票 2票 203票 |
(参考・1月22日現在の投票結果)
1位 魔王 61票(1月5日付け結果との差……+12票)/
2位 ミュシカ 53票(±0票)
3位 里菜 39票(+2票)
/4位 アルファード 37票(+2票)
/5位 ローイ 25 (+2票)
(6位以下は変化なし)(投票総数221票)
<経過解説>
……なんと申しましょうか、なかなか思いがけない結果です(^_^;) ミュシカが一位と言うのは、あくまで番狂わせとして、そういう可能性もあるんじゃないかと想像していましたが、まさか本当にそうなるとは……(@_@) これまでの、掲示板やメールでの感想の手ごたえとはぜんぜん違う、予想外の展開です! 最終的にはこのような結果になりましたが、順位の変動が非常に激しく、いつ締め切るかによってまったく結果が違ってきたはずです。 最初は里菜とアルファードがタイで一位、ちょっと下がってローイとミュシカという、まあ順当な順位でスタートを切り、途中から突如、魔王が急浮上。まさか魔王が一位になるのかと思いきや、後半になってひそかに台頭してきていてたミュシカが、ラストスパートでトップに躍り出て、逃げ切りました。 でも、もうしばらく続けてたら、また魔王が挽回したりとか、里菜が返り咲いたりとか、ぜんぜん違う順位になったかも。 というわけで、上位三人(うち二人は『人』じゃないけど)は、いつ締め切るかによって、誰が一位になってもおかしくなかったです。 特に、里菜。最初からトップに居て、中盤には、ずっと、首位独走状態だったのです。 途中経過を考えると、ミュシカの一位は、ちょっと、まぐれっぽいですね(^_^;) (注……その後、投票所を削除せずにいたら、本当に、魔王に逆転されてました(^_^;)) 一方、トップ争いからは早々に脱落したアルファードも、上のほうで里菜と魔王が競ってる間に、真ん中辺でローイと競り合って、なかなか楽しませてくれました。 最終的にはアルファードのほうがかなり票が多かったですが、途中で、かなり長いこと、ローイに抜かれてたんです。 一時は、かなりローイに差をつけられてて、このままローイに負けるかと思いました。 しかし、今まで、 掲示板やメールでの感想では、アルファードが好きだとおっしゃってくれる人が一番多かった(数はともかく、熱心な方が多かった)ような気がしていたのですが、蓋を開けてみたら意外と苦戦で、不思議です。 まあ、もともとは、私はアルファードはあまり人に好かれないだろうと思っていて、連載を始めてみたら、感想を下さる人の間ではアルファードが意外に人気があるらしいということのほうが不思議だったので、予想通りといえば予想通りなのですが……。 人気投票が、まさかこんなに波乱万丈の経過をたどるとは思いませんでした。 そうそう、たぶん入るまいと思いつつ念のため名前を挙げておいたゼルクィールじいさんにも、ちゃんと票が入りました。 この人、名前が覚えにくいので、万一投票してやろうと思った人が居ても名前が出てこなくて困るだろうと思い、項目を作っておいたのです。 もし、私があらかじめ項目を作っておかなかったら、この人には、票は入らなかったかも。名前を出しておいてみて良かった。 |
<いただいたコメント>
ミュシカ |
・いざという時一番たよりになる ・毛むくじゃらがいいです |
魔王 |
・なんだか彼が出てくるとドキドキします〜 ・彼と里菜との会話が好きです。 |
里菜 |
・何てったって主人公!! ・共感しすぎてしまいました。 ・頑張れという意味をこめて ・かわいいからv ・かわいいです ・主人公頑張れ |
アルファード |
・実直さかげんが良い ・かっこいいのに何かがずれている、そんな彼に夢中です! ・むむむっ… ・誰が何と言おうとアルファードが一番です!ガンバレアルファード!!(笑) ・頼れそうなところが大好きです ・ストイックそうなところも好きです! |
ローイ |
・負けるなローイ! 君にはヴィーレがいる!? ・実は意外と鋭い人・・・? ・ナイスな心意気が好き ・心優しい好青年っ! 永遠の「イイヒト」な、そんなアナタが大好きですわ〜。 ・彼に入れずして誰に入れろと!?(笑) ・なかなか頼りになる人だと思いますv ・だいすき〜v ・いけいけ気配り魔神っ!(笑)器用貧乏そうなトコが愛しいの〜v |
ヴィーレ |
・嫉妬すべき相手である里菜の存在を最初から認めて自分は身を引いた。こんないい子は滅多に居ない! ・なんかかわいいです ・小さい頃のローイとのエピソードがよかった☆ |
投票だけでなくコメントまで書いてくださった皆様、ありがとうございます!! 一位のミュシカと二位の魔王、なぜか、コメントは少ないです。 まあ、犬好きにとって犬を愛するのに理由は要らない、ということでしょうか。 小説を読む方・書く方は犬派より猫派が多いのではと思っていましたが、犬派・両方派も健在なのですね! 魔王のほうは、おそらく、少数の熱心な方による多重投票ではないかと想像しています。多重投票も大歓迎でしたので、それはそれで有り難いことです!! 敵役である魔王を応援してくださって、ありがとうございますm(__)m 『どきどきする』なんて、嬉しいコメントです! ミュシカは、この先、当分の間、お話の表舞台から姿を消しますが、魔王は、これからが大活躍です。特に、彼の最大の見せ場は、ずっと先の第四章。魔王贔屓の方は、気長にお付き合いくださると、先々、楽しんでいただけると存じます。 里菜は、何人もの方から、暖かい励ましの言葉をいただきました。 里菜がこんなに大勢の方に応援してもらえるというのは、予想外の喜びです。 あえて、『誰からも好かれる』タイプじゃない、好感度が高くないと思われるヒロイン像を選択した結果が里菜なので。 里菜というヒロインを通して、私は、『明るく元気で友達いっぱい、誰にでも好かれる素直で優しい女の子』という典型的な理想のヒロイン像に、あえて反抗してみたかったのです。 あえて内向的で友達の少ない、いわゆる『暗い』タイプの女の子をヒロインに据えたのは、自分自身が今も昔も決して『明るく元気で友達いっぱい』とは言いがたく、思春期には、『そのようであれ』という有形無形の圧力にずっと脅かされ続けて居心地の悪い青春を送ってきた私の、ささやかな反乱です。 『明るく元気で友達いっぱい』は確かに良いことだけど、個性は人さまざまなんだから、誰も彼もがそうなれなければ・そうなることを目指さなければ駄目というわけじゃないだろう、どうしたってそういう風にはなれない子にだって存在価値はあるだろう。世の中、生来内気な子もいれば物静かな子もいて、それはそれで別にいいじゃないか、無理して『明るく元気で友達いっぱい』になんかならなくても、そのまま――内気なまま、引っ込み思案なままでヒロインになれる小説もあっていいじゃないかと思ったのです。 今現在『明るく元気で友達いっぱい』じゃない女の子たち、や、昔『明るく……(以下略)』じゃない女の子だった人たち、そして『明るく……(以下略)』にはどうしてもなれなかった昔の私に、ささやかなエールを送ったつもりなのです。 そんな里菜に共感してくれる人が居たことは、とても嬉しいです。 実は、里菜は、私にとって、一番キャラクターとしての存在感が薄い人物なんです。 彼女の場合、成長物語の定番である無色透明型の主人公を目指して、あえてあらかじめ細かい個性を設定せず、『普通の女の子なら(あるいは、もしも自分が十七歳の女の子だとしたら)、こういうときはこういう風に反応するだろう』と私が考える、その通りに物事に反応させていくことで結果的に自然に個性を浮かび上がらせていくという作り方をしたつもりなので。 とはいえ、『普通』といっても、私の考える『普通』はあくまで私の色眼鏡を通した『普通』ですから、そうやって創造した主人公は、自然と、ある程度、ものの感じ方・考え方のパターン、おおまかな気質の傾向が自分に近いタイプになります。それが、『内向的、根が真面目、おとなしめ』という、里菜の基本的な傾向です。 が、里菜は、いつの間にか、それだけにとどまらず、私自身とはまったく違う個性も、勝手に獲得していました。 そのひとつが、私の少女時代には決定的に欠けていた(^_^;)要素……『女の子っぽさ』と多少の『可愛げ』です。 これは、推敲の過程で里菜が勝手に獲得した独自の個性です。そう、里菜は構想段階では、もっと性格に可愛げのない女の子になる予定だったのです。 でも、どうせ女の子を描くなら、可愛い方が楽しいじゃないですか! 里菜が、書いてるうちにだんだん多少可愛くなってきたのは、たぶん、私が、途中から里菜よりもアルファードのほうに視点を移して、里菜に同化するのではなく里菜を『対象』として外から見るようになったからだと思います。 女の子を可愛く描くには、その子に惚れてる男性の目を通して描くのが一番じゃないでしょうか。男性の目が、女の子の可愛さを引き出すのです。 アルファードは、最初は、票は入るのにコメントはあまり入りませんでしたが、中盤で順位が下がってきてから、これは応援しなくてはと思ってくださったのか、コメントが増えました。 『むむむっ……』というのは、アルファードがローイに大差で負けていた時期のコメントです(^_^;) こういう応援の甲斐あって、まもなく順位を挽回しただけでなく、最終的にはローイを大差で引き離しました。アルファードに代わってお礼申し上げますm(__)m 『かっこいいのに何かがずれてる』というコメントは、言い得て妙! 里菜とは対照的に、アルファードという人は、私にとって、まるで実在の人物のようにはっきりとした個性を持って存在している人です。彼は、私が理解していようといまいと関係なく、好こうが嫌おうが関係なく、ただもう、最初から『ああいう』人としてあの世界に存在し続けていて、私はただ、その彼を『発見』してきただけだという気がします。 そんなわけで、私は、決して、彼を通して自分の理想を描いたわけではありません。また、読者に広く受け入れられるような素敵な男性像を描いたつもりでもありません。 だから、私は、アルファードの場合、もし読者に嫌われても、多分、気にしません。 みんなに好いてもらえるような理想の男性を描いたつもりなのに好いてもらえなかったら、それは私の表現力不足か市場調査の失敗なので残念ですが、そうではなく、彼はただ単に『ああいう人』であるだけなので、それを好きか嫌いかと言うのは、単なる趣味の問題・相性の問題だとしか思わないのです。 でも、そんな彼でも、好いてもらえれば、やっぱり嬉しいです。むしろ、好かれようと思って創ってない分、ひときわ嬉しいかもしれません。 今後、彼は、物語の中でいろいろあって、たぶん、どん底まで評判を落とす予定です。 ある意味、この物語は、里菜のではなくアルファードの成長物語かもしれません。彼が一番、成長します。成長の過程で、一時期、自分を見失い、すっかり本来の良さをなくしてしまったように見えるときもあるはずです。それでも見捨てないで、彼を信じて、その成長を暖かく見守ってやってくださる方が、何人かは、いてくれるでしょうか。 もし一人も居ないとさすがに寂しいけど、ほんの何人かでも、そういう方がいれば、私も彼も報われると思います。 中盤の善戦空しくアルファードに大敗したローイも、コメント数では一番です! しかも、『よく見ててくださってるなあ』と思わせるコメントや、なんとも楽しいコメントばかり。 ローイを好いてくださる方は、彼に似て、鋭い方、饒舌な方、楽しい方が多いのでしょうか? 『気配り魔神』には笑わせていただきました(^o^) このあだ名(?)、サイコーです! 今後、私もそう呼ばせていただきたいと思います(^^) 実は私には、彼の人気は今後上昇するだろうという胸算用があるので、今の段階では人気が低くてもいいと思っていました。その割りに、思いがけず多くの方に気に入ってもらえてて嬉しいです。 人気が上がるアテがあるということは、つまり、彼は、これから、いろいろと人気が上がりそうな(というより同情票が集まりそうな?)ことをするのです。何があるかは、ヒミツです(^^) まあ、だいたい見当はつくと思いますが……。 ローイ派の皆様、第二章以降をお楽しみに! さて、まったく圏外のヴィーレですが、票は少ないものの、ほとんどの票がコメントつきなのです。 ほんの端役なのに愛してくださる人が居て、ヴィーレも幸せ者です。 素敵なコメント、ありがとうございました!! |
<人気投票記念・キャラ座談会> 里菜 「これから、人気投票記念座談会を始めます」 ローイ 「でも、なんで今回も俺たち3人なの? 一位・二位はミュシカと魔王だろ?」 里菜 「う〜ん、それはそうなんだけど、でも、まさか、ミュシカと魔王で対談ってわけにはいかないじゃない」 ローイ 「あはは、たしかに、そりゃ無理だ」 里菜 「でも、ほら、ミュシカはこの通り、参加してるのよ。ね、ミュシカ」 ミュシカ 「わん♪」 里菜 「ミュシカに投票してくださった皆様、ありがとうございました。見事一位になったミュシカには、作者から、リボンを結んだ大きな骨と、最高級ササミジャーキー(チーズ風味)一年分が送られました! さあ、ミュシカ、皆さんにお礼を言ってね」 ミュシカ 「わんわん♪(←いつもよりたくさん尻尾を振っている)」 里菜 「……う〜ん、作者さん、ミュシカにバウ○ンガル付けるって言ってたはずだけど、貧乏だから買えなかったのかしら。アルファード、飼い主として何かスピーチしてくれる?」 アルファード 「あー、その……。俺は、ミュシカがこのような栄誉を得て、大変嬉しい。これは、ミュシカの賢さや忠実さ、穏和で従順かつ勇敢な気質、健康状態の良さや被毛の手入れの良さ、バランスの取れた優美で高雅な容姿、そして牧羊犬としての技量等が高く評価されたということだと思う。飼い主の俺が言うのもなんだが、ミュシカは、温順にして果敢、判断力に優れ、高い運動能力に恵まれた、最高の牧羊犬だ。投票してくれた方々の慧眼は敬服に値する。俺は、ミュシカを育てたことを誇りに思う」 里菜 「(スピーチを聞きながらローイに耳打ちする)アルファード、すごく嬉しそうね……」 ローイ 「ああ、こいつはきっと、自分が一位になるよりミュシカが一位になった方が嬉しいんだろうな」 里菜 「はい、アルファード、スピーチありがとう。皆さん、ミュシカの毛皮がいつもふさふさなのは、アルファードが毎日欠かさずブラッシングしてるからなんですよ。さて、二位の魔王ですが……。ここに呼ぶのは危険ということで(^_^;)、作者経由でメッセージを預かってきました。読み上げます」
里菜 「……ですって! 怖いわ、危ないわ! みんな、騙されちゃ駄目よ、こいつは死神なのよ! この人、白い馬に乗って迎えに来るのよね……。で、私は見たこと無いけど、作者さんが言うには、素顔は超美形らしいわ。広い薔薇園も本当に持っているそうだから、本当に花束抱えて来るかもしれないわよ。でも、そんな、きれいな顔や甘い言葉や薔薇の花束に騙されて、ほいほいついていったりしちゃ駄目よ! とにかく死神なんだから! そうそう、この人が出てきたら、鎌を振るところを見ないように気をつけてね。あれ、たぶん、何か、いわゆるチャームの魔法みたいなものなのよ。あたしも危うく騙されるところだったんだから! ふん、嫌なヤツ! 大っ嫌いよ!」 ローイ 「うん、いけすかないヤツだよなあ。何が薔薇の花束だ。虫酸が走らあ! だいたい、こいつ、なんで自分に票入れた人のことを清らかな乙女だか何だかって決め付けてんの? 誰が入れたか、知らないはずだろ? 男かもしんないじゃん」 里菜 「思い込みよ、思い込み! この人、思い込み激しいのよ!」 ローイ 「危ないヤツだなあ。たしかに、ここに呼ぶわけにはいかねえよな。ここで鎌でも振られた日にゃあ、どんなことになるか……。そもそもだなあ、俺は、こいつが俺たちを差し置いて真っ先にリーナちゃん口説いたのが気に入らないぜ。抜け駆けだ! 許しがたい! なあ、アルファード?」 アルファード 「ああ、、まったくだ。許しがたい!」 ローイ 「お、珍しいなあ。俺、あんたがそういうこと言うの、はじめて聞いたぜ? あんた、これまで誰のことも嫌いだとか許せないとか一言も言ったことなかったじゃん」 アルファード 「ああ、だが、あいつだけは許せない。リーナに求婚するのなら、まず、正当な保護者である俺に話を通すべきだ! 例え神であろうが何だろうが、俺に無断でリーナの夢の中に入り込むなど、許せるものではない! しかも、なにやら怪しげな術を使ってリーナをたぶらかし、拉致しようとしたというじゃないか! そもそも、相手が誰であろうと、リーナには、結婚など、まだ早い!」 ローイ 「おいおい、アルファード、まだ早いって、リーナちゃんは、ナリはちっちゃくても、一応、十七だぜ。リーナちゃんのお国のほうじゃどうか知んねえけど、この国じゃ、そろそろ、結婚しても別におかしくない歳だろ。あんた、リーナちゃんが見た目ちっちゃくてかわいいからって、本当の歳、忘れてない?」 アルファード 「いや、そ、そういうわけじゃ……。だが、とにかく、他の十七の娘が結婚適齢期であろうとなかろうと、人の成長には、生まれつきや育ってきた環境によって、個人差がある。リーナは、あらゆる面で、まだ子供だ! 縁談など、十年早い!」 里菜 「ええ〜(←不満そう)。そりゃあ、たしかに、あたし、まだお料理とかも何も出来ないし、結婚はまだ早いとは自分でも思うけど、だからって、十年も早いってことはないと思う……。あたしの国でも、女の子は十六になれば結婚できるのよ。アルファード、なんでいつも、あたしのこと、そんなに子供扱いするの?」 アルファード 「だって、実際、子供じゃないか! 見た目のことだけじゃない。態度、行動、すべてにおいて、君はまだ子供だ! 自分がいかに無知で無防備で幼いか、そのことがわからないと言うこと自体、子供である証拠だ。俺が君を年齢に関わらず子供であるというゆえんは、そもそも君に、自分が子供ではなく一人前の大人である、女性であると言う自覚がないからだ」 里菜 「え〜、あるわよ!」 アルファード 「いや、ない。だいたいだな、君は、最初に俺の家に来たとき、気を失っている間はともかく、眼を覚ました後も平気でもう一度ぐうぐう寝ていたが、俺が悪い心を起こして君の寝込みを襲いでもするんじゃないかとか、そういうことは全く考えなかったのか?」 里菜 「ええっ! ううん、ぜんぜん……」 アルファード 「なぜそういう危険性を考えなかった?」 里菜 「……だって、アルファードだもん」 アルファード 「理由になってない! 君は俺の事を何も知らなかったじゃないか」 里菜 「知らなくっても分かるもん」 アルファード 「君なんかに何が分かる! 君は何も知らないんだ!」 里菜 「じゃあ、アルファードは、あの時、そういう悪いこと、思ったの?」 アルファード 「まさか! とんでもない! 俺はあの時、君の事を、十二、三の子供だと思い込んでたんだ。その手の悪い気持ちなどは、起こしようが無かった」 里菜 「あれっ! こないだは十四、五歳くらいだと思ったって言ってたのに!」 アルファード 「あ、い、いや、それは、その……」 里菜 「ふうん……。まあ、いいや。じゃあ、あたし、今はもう本当は十七歳だってばれてるから、今からでもアルファードのことを警戒したほうがいいわけ? なら、今夜から、部屋のドアにつっかい棒して寝てもいいけど? そうしたほうがいいわけ!?(←ムキになってる)」 アルファード 「ああ、いや、それには及ばない。俺のことはいまさらそのような面で警戒してもらう必要は、全く、一切、これっぽっちもないが、今後、俺以外の男は全部、ちゃんとそれなりに警戒するように! 特に、あの、魔王とやらだ! ああいう口の巧い男に、ろくなのはいない! 君はあまりにも世間知らずだから、俺はとても心配だ……」 里菜 「『全く、一切、これっぽっちも』って……。なにもそこまで言いきらなくても……。ねえ、ローイ?」 ローイ 「『ねえ』って、そんなこと、俺に同意を求められてもなあ……。まあ、あんたが無防備すぎだって言うのは、俺も同感だな。とにかく、魔王にゃ気をつけな」 里菜 「わかってるってば! あんなヤツに一瞬でも騙されそうになった自分が悔しいわ! それにしても、魔王ってば、やたらと庭園とか青い薔薇を自慢してるけど、もしかして、ガーデニングが趣味? 薔薇の品種改良とか庭作りに凝ってるのかしら」 ローイ 「暇なんだろうよ」 里菜 「本当に青い薔薇が咲いてるのかなあ。魔王は嫌いだけど、青い薔薇の花園は、ちょっと見たいかも……」 アルファード 「ば、ばかっ! そういう風だから付け込まれるんだ! まったく君は……」 ローイ 「おいおい、痴話げんかは後で二人きりのときにやってくんな。今は、皆さん、聞いてるんだぜ?」 アルファード 「あっ……! いや、その、これは、その……大変見苦しいところを……(←しどろもどろ)」 ローイ 「なんかさあ、この座談会、すご〜く長くなりそうじゃねえ?」 里菜 「う〜ん。では、さっさと次に行きましょう! えっと、次は三位。あたしの番です。皆さん、ありがとう。応援してくれて嬉しいです。……うわぁ、恥ずかしい……」 ローイ 「リーナちゃん、急に声が小さくなってるぞ。お礼はちゃんと大きい声で言えよ」 里菜 「だってぇ……。恥ずかしいもん。いいから、次、アルファードの番。皆さんにお礼を言ってね」 アルファード 「えっ……。ああ、その……、俺のようなものを応援してくれて、本当に感謝している。ありがとう(深々と頭を下げる)。あなた方が俺のようなもののどこを気に入ってくれたのか、想像もつかないのだが、こんな俺を、それでも応援してくださった方々を裏切ることの無い様、志を高く持って自分を律し、良心に恥じない行いをしていきたいと思う」 里菜 「立派なスピーチねえ(←惚れ惚れ……)。アルファード、しゃべらないときはぜんぜんしゃべらないけど、しゃべる気になれば、実は雄弁なのよね。はい、次はローイね」 ローイ 「おお、みんな、ありがとうな!! 俺に投票してくれた人全員に――いや、野郎は抜かして女の子、ご婦人方にだけ、お礼に熱い投げキスを贈るぜ! 投げキスだけじゃ足りないお嬢さんには、ここまできてくれれば、もっといろいろ、なんでもいくらでもサービスするぞ! ……でもさあ、なんでみんな、俺よりアルファードがいいわけ? いや、もう、犬や悪役に負けたってのは、この際、無視することにするけど、リーナちゃんもまあいいとするけど、アルファードに負けたのだけは、納得いかねえやなあ。ほんと、みんな、こんなヤツのどこがいいわけ? 顔だって、そうたいしたことないし、性格だって、融通が利かなくて面白みが無いし、古くて堅い化石頭だしさぁ。俺よりいいのはガタイだけじゃん。少なくとも、お付き合いするなら俺のほうが絶対楽しいぜ!」 里菜 「でも、ローイ、途中では、結構長いこと、アルファードに勝ってたのよね。最後の方でアルファードが盛り返したのは、特定の1人からの大量投票のおかげらしいわ。コメントを見ても、同じ人からのコメントが続けて入ってるみたいだし、票の数はアルファードの方が多いけど、ファンの数はローイのほうが多いのかもよ? 『広く浅く』ってやつ? アルファードは、少数の人に深く愛されてて、ローイは、大勢の人に広く浅く愛されてるんじゃない?」 ローイ 「おお、そうか! うんうん、俺は、浅くてもいいから広く愛されたいぞ! 俺の愛は海のように広いから、何人でもみんなまとめて広く浅く愛を返せる自信があるぜ!」 里菜 「そんな自信、なくていいよ……(^_^;)」 ローイ 「俺の心の中は、世界中の女の子に広く浅くばら撒いてもまだ残るほどのでっかい愛でいっぱいなのさ!!」 里菜 「はいはい。博愛主義者なのね。確かに、ローイ、誰にでも優しいよね」 ローイ 「だろ? こんなに分け隔てなく誰にでも優しくしてるのに、なんでアルファードより票が少ないんだ……」 里菜 「誰にでも優しくしすぎるからかもよ?」 ローイ 「えっ、そうなの? 女心はわかんねえなあ。俺、節操無しだと思われてるのかなあ……」 里菜 「女の子は、自分だけに優しくしてくれる男の人が好きなのよ〜(*^−^*)」 ローイ 「そういうもん? それって、裏表があるってことじゃねえ? 本当にいいヤツなら、誰にでも優しくするもんじゃねえ? 自分の彼女だけ大事にして他はどうでもいいなんて、自分勝手じゃねえ? ケチくさくねえ? 了見が狭くねえ? 俺はそんなヤツ、いやだぞ。もっと世のため人のためってことを考えなくちゃ」 里菜 「そういう問題じゃないと思う……」 ローイ 「なんでさ。俺は、自分の彼女だけ幸せならそれでいいなんてけちなことを言わず、もっと大勢の女の子たちの幸せのためにご奉仕したいね。俺には、それが出来るだけのでっかい愛があるんだからさ。優しさは、いくらばら撒いても減るもんじゃないんだぞ」 里菜 「……ローイって、つくづく、友達にしておくにはいいけど彼氏にはしたくないタイプよね」 ローイ 「えっ!? うわあ、それ、俺、よく言われるんだよ……。やっぱり、そうなのかなあ。あんたも、そう思う? 誰からもそう思われてるのかなあ………。だからいつも女の子に『いいお友達でいてね』とかって言われちゃうのかなあ。でも、それにしたって、あの野暮天の朴念仁のアルファードばかりがいつも俺よりモテるのは納得いかねえよなあ……(ぶつぶつ……)」 里菜 「まあ、まあ、気にしないで。ローイの方が好きな人も、ちゃんといるわよ。それにね、作者さんが言ってたけど、これから先はローイが人気出るだろうって。アルファード、何か、評判落とす予定があるらしいわ。なんでかなあ。ちょっと心配。あたしは、アルファードが他の人に人気なくなっても、そんなの関係なくアルファードが好きだからいいんだけど……。きゃ! 言っちゃったぁ。ねえ、ねえ、ローイ、どうしよう、言っちゃった……。きゃ〜!」 ローイ 「こらこら、服、ひっぱるなよ。破けるだろ。何でそこで俺をばしばし叩くんだよ。どうしようなんて、俺に言ったって知らねえよ。心配すんな、どうせ、きっちり無視してくれるよ」 アルファード 「(里菜の大騒ぎをきっちり無視して)俺も、この上の、作者の談話を読んだんだが、俺は、何か良くないことをするのだろうか……。心配だ」 里菜 「まさか! アルファードが悪いことなんか、するわけないわ!」 ローイ 「そりゃあ、確かに、あんたに限って悪事を働くってことは無いだろうけど、でも、悪事を働くだけが評判を落とす原因って訳じゃねえと思うぜ。あんたが評判を落とすとすりゃあ、あれだな、どうせ、リーナちゃんを苛めるんだろうよ」 アルファード 「まさか! 俺がそんなことをするはずがない!」 里菜 「そうよ!」 ローイ 「どうだか。この前、もう少しでリーナちゃんに手を上げるところだったのは、どこのどいつだ?」 アルファード 「…………(ぎくっとする)」 ローイ 「それにさ、まあ、確かに、ぶったり蹴ったり罵ったりはしないだろうけどさ、こんないたいけな子が慕ってくるのにむげに冷たい態度を取るのも、苛めてるうちじゃねえ? 例えば、胸にすがり付いて泣いてるのに肩も抱いてやらねえとか、告白されても無視するとか……」 アルファード 「…………(見えない杭が二本ほど、ぐさっ、ぐさっと胸に突き刺さっている)」 里菜 「あ、あのっ、アルファード、あたし、何もぜんぜん気にしてないから! もう、ローイってば、なんてこと言うの! ローイが苛めるから、アルファード、固まっちゃったじゃないの! あたしはぜんぜん気にしてないのに!」 ローイ 「ひでえなあ。俺はただ本当のこと言っただけだろ? 俺はあんたに同情して言ってやったのに、なんで俺がアルファードを苛めたなんて言われて、あんたに怒られるんだ……。何か、俺って、いつも割りにあわねえよなあ。俺は、ただ、アルファードのあんたに対する冷たい態度が腹に据えかねるから……」 里菜 「冷たくなんかないわ。アルファード、いつもほんとに良くしてくれてるんだから。何の義理も無いのに、行き倒れていたあたしを助けてくれて、何の役にも立たないのに家に置いてくれて、ドラゴンに襲われたときには、命を懸けて助けてくれて……。 威張るようなことじゃないけど、あたし、ホントに、家事も何も、ろくにしてないのよ。何か役に立ちたいとは思うんだけど、何やっても裏目に出るし……。お掃除しようとしたらバケツひっくりかえしちゃったりとか。こないだも、お料理しようとして、鍋、焦がしちゃったし……。かといって、お仕事の手伝いも出来ないし、よく考えてみれば見るほど、アルファード、あたしを家に置いといても、何の得もしてないじゃない。なのに、赤の他人のあたしに、こんなによくしてくれてるのよ! ねえ、アルファード、ここだから言うけど、あたし、もしも他の人がみんなあなたを嫌いになっても、あたしだけはアルファードを信じるわ。あなたが何をしても、絶対、嫌いになったりしない。アルファードが悪いことをするような人じゃないのは、わかってるもん! 何があったって、誰がなんと言ったって、あたしはアルファードを信じてるから! ……きゃ〜、また言っちゃった、ねえ、ローイ、言っちゃったってば!」 ローイ 「ああ、ああ、わかったよ、わかったよ。だから、あんた、なんでそこで俺を叩くんだよ。おい、アルファード、今度は無視するなよ。リーナちゃんに、なんとか言ってやれ」 アルファード 「……ありがとう(頭を下げる)」 ローイ 「そんだけかぁ?」 アルファード 「いや……。その……、俺も、ここだから言うが、実は、俺は、自分が、君のような人を疑うことを知らぬ純真な少女に、そのように信じてもらい、慕ってもらう価値の在る人間だという自信がないんだ。俺は、もしかすると自分が君のそのような信頼に値しない人間であるのかもしれないということが怖い。それで、つい、ローイの目には君に冷たいと見えるような行動をとってしまうのだと思う。自分では、冷たくしているつもりはないのだが。もしも君を傷つけていたとしたら、すまない(頭を下げる)」 里菜 「ええっ!? アルファード、そんな、謝ったりしないで。あたしは別に、アルファードが冷たいなんて思ってないよ? ローイが勝手にそう言ってるだけ! でも、アルファード、なんでそんな、自分が価値が無いとか信頼に値しないとかなんとか言うの? アルファードは、誰がどう見ても立派な人よ?」 ローイ 「そうだよなあ。それは俺も認めるぜ。ご立派すぎて面白みがないけどさ、とにかく、ご立派なことは確かだ。じゃあ、なにか? あんた、表向きはそんなご立派な人だが、心の中じゃ、とんでもない悪いことばかり考えてるとか?」 アルファード 「いや、そういうわけじゃ……。そんなことは、決して……。俺にはやましいことなどひとつもない……と、思う」 ローイ 「じゃあ、なんでそんな変なこと言うのさ」 アルファード 「ああ。こんなことを言うと笑われるかもしれないが……。君たちも知っているとおり、俺には、この村に来る前の記憶が無い。だから、過去の自分がどんな人間だったのか、わからないんだ。それがどんなに怖いことか、ローイ、お前には分かるまい。自分がどんな人間なのかを自分で知ることができないということ――、自分の中に自分の知らない部分があるということが」 ローイ 「ああ、そういや、あんたは、記憶喪失だったんだっけな。すっかり忘れてたぜ。じゃあ、あんた、もしかして自分が昔、とんでもない大悪党だったかもしれないとか、そういうこと想像してるわけ? でもさあ、あんたがこの村に来たのって、十歳かそこらの時じゃん。十歳やそこらで、そんな、たいして悪いことなんかしたことあるわけないよな。あんた、そりゃあ、考えすぎだよ」 アルファード 「ああ、俺も、そうは思うのだが……。でも、それなら、俺の心の奥底に重たく淀んで俺を苛む、この、故知れぬ罪悪感は何だろう……。だから俺は、俺の失われた過去に何か後ろ暗いものがあるような気がして、どんなに正しい行いを積み重ねてきたつもりでも、まだ、自分を信じることが出来ずに居るんだ。こういういことは、すべて、イルファーランに戻れば何もかも忘れてしまうはずの、今、この場でだから言うんだが……」 ローイ 「罪悪感だぁ? なんだそりゃ。あんた、いつも、何も身に覚えがないのに、そんなものに浸ってるわけ? やめろ、やめろ、ばかばかしい。身に覚えがないなら、いいじゃん。この村に来てからこっち、もう10年以上、あんたは、ずっと、自分が正しいと思うことだけをしてきたんだろ? 悪いこととか、後ろめたいことは、何も考えたこともないんだろ? やましいことは何もないんだろ? なら、それで十分じゃん。あんたは、自分が知っているとおりの、俺たちも知っているとおりの、真面目すぎて、正しすぎて、ご立派すぎて面白みのない、そういう、正義の味方なヤツなんだよ。 だいたい、十歳にもならないガキの頃の悪さなんて、もう時効だぜ。覚えてもいないような昔のことまで、責任取れるかよ。どうせたいした悪さじゃないだろうしさ。せいぜい、隣の犬に眉毛を描いたとか、リンゴ園のリンゴを盗んだとか、祭壇のお供え物の饅頭を盗み食いしたとか、ちょうどそういう悪さを見つかってこっぴどく怒られた後で、たまたま、こっちへ来ちまったんだろうよ」 アルファード 「そんなことなら、いいのだが」 ローイ 「そうに決まってるぜ。あんた、記憶喪失を売り物にして、暗い過去をちらつかせて深刻ぶってみせて、同情票を増やそうと思ってやがるんだろう。みんな、騙されるなよ。アルファードの暗い過去なんて、絶対、たいしたもんじゃないぜ。こいつの言うことを本気に取って真面目に同情してると、きっと、拍子抜けでバカ見るぜ。賭けてもいい。うん、きっと、饅頭の盗み食いだ。そうに決まってる! よし、決定! アルファードの暗い過去は、お供え饅頭の盗み食い! あはは! こりゃ可笑しいや……(←ひざを叩いて笑い転げる)」 アルファード 「…………」 里菜 「ローイ、そんな、ちゃかしちゃ可哀想よ。アルファード、真剣に悩んでるんだから……。ねえ?」 アルファード 「いや……。少し、気が楽になったかもしれない」 里菜 「そうなの? よかったぁ! ねえ、アルファード、あなたがいい人だってことは、もしあなたが知らなくても、あなた以外のみんなが知ってるわ。少なくとも、あたしは、知ってるわ! ちっちゃい頃に、ちょっと悪戯して怒られるくらい、だれだってすることよ。お饅頭の一個くらいで、いつまでもくよくよ悩むことなんか、ないのよ!」 アルファード 「…………リーナ。君も、俺が饅頭を盗み食いしたと思っているのか?」 里菜 「えっ……。あ、べつに、そういうわけじゃ……。ごめん……。では、これで座談会終わります(ぺこり)」 ……(終)…… *実は、この座談会には、まだ続きがありました。が、あまりにもばかばかしい内容、かつ、ヘンなノリで(^_^;)、しかも、実際に書いてみたら頭の中で想像してた時ほど面白くなかったので、カットしました。でも、せっかく書いたのに、ただ消しちゃうのももったいないので、とりあえず、日記のほうにアップしてみました。 が、その後、一年近くたっても、時々このページから日記にアクセスがあるので、いちいち大昔の日記を探し出していただくのもお手数だろうと、オマケページを作ってそちらに転機しました。 もし興味がおありの方は、こちらの『ボツネタ公開・イルファーランキャラ腕立て伏せ大会』をご覧ください(つまり、そういう内容です(^^ゞ)。 警告:ただし、アルファードが、激しくコケにされています! アルファードのイメージを崩したくない人は、見ないほうがいいです!(^_^;) →『イルファーラン物語』目次ページへ →トップぺージへ →掲示板へ |