公式練習の朝


 翌15日土曜日、この日は1日中マスターズ大会のため、リンクは貸しきりである。試合開始は午前11時からだが、早朝から公式練習が行われていた。
 
 公式練習とは、希望する参加者に競技に使う本番のリンクで、曲を流してリハーサルをする時間を提供するものだ。ほかの人の曲が流れている間も、指定された時間帯なら滑っていてよい。 

 私の指定時間は10時から。公式練習の最終組だった。到着するとリンクには先の時間帯に滑っていた、ハマボウルの仲間の女性たちがいた。彼女らは30代女子に参加する。

 自分の組の練習時間が来た。昨日よりは氷はきれいだ。調子のほうはまあまあというところ。ループジャンプが決まらない。成功率は6割ぐらいだ。これが最後の滑走になるので、集中してへとへとになるまで滑りこんだ。

 公式練習が終わったら、開会式。

 引き続き試合が始まる。

 競技はShark島さんの出るコンパルソリーからだ。彼が第一滑走者。第10回フィギュアスケート・マスターズ・チャレンジカップは、Shark島さんのRFOで今始まった。
 観客は少ない。地味ではある。客席は寒い。
 朝の公式練習が終わったあと、本番の競技が早めに始まる選手はいいのだが、私の組のように、夜になる場合は、ずっと観戦していると体が冷えてしまう。
 Shark島さんの結果を見終えたところで、私は宿に戻った。この用途に使うため、2泊ホテルを予約した。







 待ち時間は長い。ホテルでテレビを見たり、田無の町を散歩して時間をつぶした。

 田無に来たのは初めてだった。

 歩いていると田無神社というお宮があった。すぐ隣には田無山総持寺という寺を見つけた。どちらにも寄った。いろいろな意味で、私にはぴったりだった。時間はたっぷりあるし、「神頼み」という言葉は、今も昔もいい言葉だ。



田無の風景