■夜の旧市街

旧市街、特に居住区の界隈は、夜になると静寂に包まれる。さすがにこの時間帯だと寂しげで、旅行者が一人で歩くのは抵抗があるかもしれない。でも私は度胸を入れて歩いてみた。旧市街の路地は、昼と夜とでは雰囲気が変わる。街を知るのであれば、やっぱりその両方を見ておくべきだろう。

夜の旧市街の中で個人的に推したいのは、キリスト教地区のバブ・トゥーマ通りとハナニア通りの間を通る路地だ。昼間は普通の路地だと思って歩いていたが、夜になるとここは幻想的な光景に変わる。旧市街の街灯は、日本のような蛍光灯ではなく白熱電球を用いているため、夜は路地がセピア色に染め上がる。この光の下でこの路地を見たときには、思わず鳥肌が立った。「おお、すごい、雰囲気抜群!」。もしこの道に隠れ家的なバーがあったら、きっとそこに毎日通いつめるかもしれないな。

異国の地での夜歩きというのはあまりオススメできるものではないが、もし可能ならばやってみてはどうだろうか。でもさすがに夜は道を尋ねる相手もいなくなるので、迷子にならないようにしなきゃいけないけど。

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