■バクタプル カトマンズを散策した翌日、朝早くミニバスに乗ってバクタプルに向かった。カトマンズ発のミニバスは一定の場所に集まっており、車掌が行き先を大きな声で叫んでいるから観光客でも分かりやすい。 バクタプルはカトマンズから東に12kmほど離れた街。15世紀から18世紀にかけて栄えたマッラ王朝時代の建物が今でも残る、世界遺産の街である。ガイドブックには訪れる旅行者は少ないと書いてはあるが、最近は喧騒のカトマンズから逃れて一息をつくための場所として注目されている。私も8年前に訪れたことがあるが、この街の雰囲気が印象に残っているのでまたやってきた。 バクタプルは世界遺産の保護地区ということもあって入場料を取られる。その金額は750ルピーと非常に高く、バックパッカーからは不満が出てきそうな金額である。しかし私の場合、あまりに朝早くにバクタプルに着いたせいか、徴収する人もおらず、一銭も金を払わずに街の中に入ることができた。あれ?いくら時間が早いとは言え、かなり杜撰だなぁ。 バクタプルはカトマンズよりも静かな街。特に朝だから観光客も少なく、のんびりと散策できる。街の中心はダルバール広場で広場の北側の旧王宮をはじめ、数々の精巧なネワール建築を見ることができる。 |
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ダルバール広場の隣にはトウマディー広場がある。ここにバクタプルで最も背の高い寺院であるニャタポラ寺院がそびえ立つ。ニャタポラとは「五重の屋根」という意味らしい。寺院の石段を上ってみれば、広場の賑わいを見渡せる。
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ニャタポラ寺院の石段から見た光景 |
朝の時間帯なので市場が開かれていた。売られていたものはカトマンズの朝市と似ている。 |
バクタプルは1時間ほどで観光ができる小さい街だ。そして何よりも静かな街だ。カトマンズの騒音や排気ガスの臭いに嫌気が差してきたときは、ぜひ訪れるべき場所なのかもしれない。観光だけしてそのまま帰るのも勿体ないので、しばらく寺院の境内の上でゴロンと寝転んでダラダラしていた。世界遺産の寺院で寝そべってのんびりと街の雰囲気を楽しむというのは、なんだか贅沢な気分だった。 |
バクタプルの住宅街・ツーリストエリア |
そういえば、8年前に比べてゲストハウスの数が多くなっている気がする。確かにこんな穏やかな街で朝を迎えるのもいいかもしれない。…しまった、荷物持ってきて、ここで1泊してみればよかったかな。
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■パタン パタンはカトマンズの南に位置する街で、同じく精巧なネワール建築を見れることから世界遺産に登録されている。バクタプルに行った日とは別の日に出向いた。3〜4kmくらいの距離らしいから試しに徒歩でパタンまで行ったみたのだが、あまりの暑さに到着したときには死にそうになった。…いつものことなのだが、なぜか私は旅先に出ると、こういうムチャをしてしまう。そして最後にいつも後悔するのである。…というかそれ以前に、5月のネパールってこんなに暑いんだっけか? それは想定外だった。 パタンのメインは同じくダルバール広場と呼ばれる広場。たまたま近くで結婚式が行われていたようで、装飾した車を先頭にした参加者の行列が 広場内を練り歩いていた。 |
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ここではバクタプルと違い、広場の管理人と思われる人に止められて入場料を払わされた。払うとシールを自分の体に貼ってくれる。どうやら体にシールを貼ってないと入場料を払ってないとみなされるらしい。 カトマンズと同様に、パタンでも仏教の寺院とヒンズー教の寺院が混在して建てられている。ダルバール広場ではシヴァ寺院やクリシュナ寺院というヒンズー教の神様の名前の寺院がある一方で、広場を外れると、たくさんのストゥーパを見ることができた。
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…しかし正直言うと、カトマンズ、バクタプル、パタンと続けて観光すると、だんだんどの寺院も同じに見えてきてしまう。いや本当はそれぞれの寺院にそれぞれの歴史があって全然違うものなのだろうけど、いわゆる3つの街にあるダルバール広場で見られる寺院や王宮は、どれも同じような造りであり、たくさんの数を見てしまうと、やっぱり飽きてきちゃうのである。ここらへんはミャンマーの寺院巡りのときの気分と似ている。なので早々と観光を終わらせて、ダルバール広場を見渡せるカフェで昼間からビールを飲むという蛮行に至ったのは言うまでもない。
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