■朝の光景

もちろん旧市街の観光は日中だけで終わってはいけない。私がくどいように言っていることだが、その街を知るためには、朝も昼も夜も歩いてみないと分からない。特にこのカトマンズは朝6〜8時台も散策してみるとよい。朝でしか見られない光景があるからだ。

特にオススメはインドラチョーク。朝は野菜などを売る行商が集まり、一帯は大規模な市場と化す。

もうひとつのオススメはダルバール広場周辺。朝はお祈りの時間帯である。寺院の周りは信者達で埋め尽くされ、日中の広場では見られない活気を楽しめる。








ちなみに、ネパールでは仏教とヒンズー教が信仰されているが、この国でのこの2つの宗教の位置づけは独特である。たとえば仏教の寺院のすぐ近くにヒンズー教の神像があったり、ヒンズー教徒と思われる人がストゥーパ(仏塔)にいたりする光景を見ることができる。つまり、2つの宗教がいがみ合うことなく共存し、ごちゃ混ぜの状態であることがわかる。

実は前述したクマリという神も、仏教から生まれたものではなく、もともとはヒンズー教の神であり、それでいて後継を仏教徒の家系から選出するという複雑な歴史を辿っている。日本でも仏教と神道が混在することに違和感を覚えないのと同じように、ネパールでも仏教とヒンズー教が混在しているのはごくごく普通であることと捉えられているようだ。醜い宗教戦争が起こっている他の国にとって、見習うべき存在なのかもしれない。




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