■寝仏

翌朝、ヤンゴンに戻る朝便の飛行機に乗るために早めに起床。ホテルをチェックアウトし、ボートに乗り込んでまたニャウンシュエに戻る。ボートは速いスピードで飛ばしていくのだが、体感温度がかなり低くて寒かった。昼間は日焼けするくらいに日差しが強烈だったが、このエリアはかなり寒暖の差が激しいようだ。長袖を持ってきて正解だった。

へーホー空港から飛行機に乗り込み、昼前にヤンゴンに到着、すぐさまヤンゴン市内の観光に出発した。まず向かったのはチャウッタージーパゴダ。ここには寝仏が納められているそうだ。全長70mもある巨大な仏像である。

仏教では輪廻転生が信じられている。そしてこの寝仏とは、生まれ変わりの最終形であるとされている。つまり、これより先の生まれ変わりは存在しない。60歳を超えた仏教徒の多くは、来世にこのような寝仏になりたがる人が多いそうだ。今世で十分豊かな人生を味わったため、次で輪廻転生のサイクルを終わらせたいという思いから、そのような願いをするらしい。私はてっきり、今世が非常に苦しい一生であり、また来世も同じ目に遭うのを嫌う人が求めるのだと思ってたのだがどうやら違うようだ。つまり、下にいる人は上を追い求められるので生きる価値があるけど、上を知ってしまった人はこれ以上何も追い求められないため、生きる価値がないということなのなのだろう。いろんな考え方があるものだ。

■ボージョーアウンサン・マーケット

ヤンゴン市内にある大きな市場。織物、貴金属、その他日用品などが売られている。メインロード以外の道は、人ひとりが通れるか通れないかという、すごく狭い道になっていて、そこにたくさんのお店が密集している。雰囲気としては、ホーチミン(ベトナム)のベンタイン市場にそっくりだった。マーケットの建物の周りが、生鮮食品や食べ物の屋台が並ぶエリアになっていて、現地の人達でごった返す雰囲気もとてもよく似ている。実は私がここを訪問する数週間前に爆弾テロ事件が発生したらしいのだが、テロに負けず、この活気を維持してほしいものだ。

■お腹を壊した

カインさんと別れ、お土産屋でミャンマーのお土産を買ってホテルに戻った頃、お腹に異変を感じ始めた。そして…急にゴロゴロッと来たのですぐさまトイレに駆け込む。…恐れていたことが起きた。見事に下痢の症状である。やっぱり普段食べ慣れてない油っこいものばかり口に入れていたから、そのツケがきたみたいだ。この後もトイレに行ったり来たりという状態になってしまった。今日の昼飯も相当に脂っこい料理だったのだが、絶対それがトドメを刺した気がする。ホントはまた街をぶらつきたいのだが、仕方なく常備薬を飲んで安静にした。

■聖地シュエダゴン

時間は流れて夕方5時ごろ。とりあえず薬が効いて落ち着いたようなので、カインさんと再び合流。向かった場所はシュエダゴンパゴダ。ここはミャンマー国内最大のパゴダで、歴史も2500年と古く、釈迦の時代にできたものだ。地方に住んでいる人も一度はここに行きたがる場所で、いわば聖地に相当する。

巨大な仏塔を八曜日の祠が囲んでおり、さらにその周りにはたくさんの仏像が並んでいる。これらの仏像は安産祈願や学業成就など、特定の目的で納められている。ちなみにこの日は火曜日だったので、火曜日の祠の周りには人だかりができており、みな熱心にお祈りしたり、掃除をしたりしていた。ちなみに八曜日とは、自分が生まれた曜日のこと。ミャンマーでは生まれた曜日を重要視しており、それによってその人の基本的な性格、人生、他人との相性が決まるとされている(通常、曜日は7つだが、水曜日は午前と午後に分けられている)。どうやら調べたところによると、私の生まれ曜日は木曜日だそうで、象徴となる動物はネズミである。ネズミて(笑)。でもまあとりあえず、木曜日の祠でお祈りをしておいた。

シュエダゴンパゴダではライトアップがある。ライトアップされた仏塔もキレイだった。

シュエダゴンパゴダ観光後の夕食の際、またカインさんと長時間雑談をしたのだが、このときのカインさんの宗教に対する発言が印象的だった。「仏像なんてただの石ころに金粉をつけただけのものですよ。重要なのは、祈る人の気持ちの問題です」。…まあこんなことは、当たり前で分かりきったことではあるが、あれだけ真剣に祈るミャンマーの人が発言する意見だからこそ、ちょっと意外であり、深く感じた。…でもそうなんだよな、宗教の基本はまさにそれなんだと思う。

次のページへ→ 


MYANMAR TOP     ROAMER TOP     HOME