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上海や蘇州、杭州などを含む中国の江南エリアには、「水郷古鎮」と呼ばれる、水路で形成された街が存在する。そこは、長江という大河が運んだ土砂の堆積によって作られた土地である。運ばれた土砂が肥えた土だったことから、一帯は農業が盛んになり、さらに水路の存在が物資の交易としての役割も果たしたおかげで、現在のような街の発展にまで至ったのである。 現在この水郷古鎮は、歴史的に古い街として江南地方の観光地のひとつになっている。最近ではガイドブック等でも頻繁に紹介されているようで、国内のみならず、海外からも観光客が多く集まる場所となった。あまりに有名になり過ぎて、観光化されてしまった古鎮も中にはあるが、それでも趣のあるアーチ状の石橋、細い水路を通る船、石畳の道、そしてその中で普通に暮らしている人々などなど…。ただ単に街並みをぶらつくだけでも楽しめる場所ではないかと思う。 ここでは、私が2004〜2007年の間に訪問した、江南地方の水郷古鎮について紹介する。
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