§7 ベルベル人の生活圏 | (マトマタ、メタミウ村、ジェルバ島) |
4WDは昨日と同じヒドイ道を通ります。途中で東に折れ、2時間ほど走ってマトマタという村に到着です。チュニジアを含む北アフリカ地域では、ベルベル人と呼ばれる先住民族が住んでいます。そしてこのマトマタでは、ベルベル人特有の住居である穴居住宅があるそうです。地面に大きな穴を5〜6メートルほど深く掘り、さらに側面に横穴を開けて部屋を作ることで、住居を形成しています。これは12〜13世紀ごろに作られたもので、当時侵攻してきたアラブ人から身を隠すために、このような特徴的な住居を構えたと言われています。
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穴居住宅 | |||||||||||||
最近はもうこのような穴居住宅に住んでる人は少ないそうです。多くはホテルとして利用されており、あるいは観光客から見学用の収入を得るために敢えてここに住んでいるという人もいるようです。 ドライバーが、穴居住宅の近くにいた小さな女の子を連れてきました。彼女はこの住居に住んでいるらしく、家の中を案内してくれるんだそうです。せっかくだから中に入ってみることにしました。家の中には彼女のおばあちゃんらしき人もいました。
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寝室やらキッチンやらを見せてもらいます。部屋の中は非常に涼しいですね。地面を掘っているのでジメジメしているかと思いきや、さすが砂漠地帯ですからそんなこともないです。外気が入って来そうにない構造ですから、冬もおそらく暖かいかもしれません。身を隠すだけでなく、気候の特徴をちゃんと活かしていて、先人の知恵には全くもって感心させられますね。
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意外と暮らしやすそうです
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さて、見学用の穴居住宅ということで、この家族におそらくいくらか払わないといけないんだろうなぁと思うのですが、いくら払えばよいのか全然相場が分かりません。とりあえず10ディナールを女の子に渡しておきました。見学を終えて、我々が住居から外に出ようとしたとき、偶然私は、女の子がおばあちゃんから何やら怒鳴られている場面を目撃してしまいました。……なーんかイヤな予感するなぁ。10ディナールじゃ少ないからもっともらって来いとでも言われてたんじゃないでしょうか。 そして女の子に連れられて外に出たとき、彼女が「ディス・ディナール(10ディナール)」と言ってきました。やっぱりな…、さっきの10ディナールじゃ足りないってことか。かと言って、この女の子に高いだの何だの文句たれるのもなんだかアホらしいので、ここは素直にもう10ディナール払っておきました。お金を受け取った女の子はすぐさまその場を去り、また他の観光客を見学に誘うために、観光バスが停まっている所へ走っていったのでした。稼ぐねぇ、この子は…。
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穴居住宅を利用したホテル
昼食は、穴居住宅を利用して作られたホテルのレストランでとります。このホテルの穴居住宅も映画「スター・ウォーズ」でロケ地として使われた所だそうです。ひとつの横穴が一部屋分になっています。ちょっと泊まってみたかった気もするなぁ。
車はさらに東へ移動し、次はメタミウと呼ばれる小さな村に停車しました。村の中心の広場に行くと、古い変わった建物が並んでいます。これはゴルファと呼ばれる建物だそうで、かつてベルベル人による南部交易が盛んだった時代に穀物倉庫として使っていた建物らしいです。今はもうこの村、殺風景な光景になってしまっていますが、こんなにたくさんの倉庫が連立しているんですから、さぞかし当時は繁栄していた場所だったんでしょうね。結構、保存状態もよかったですよ。
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ちなみにゴルファの部屋のひとつは事務所になっているらしく、管理人と思われる男性がいました。彼は隣国リビアの出身だそうで、「サハラグッド、リビアグッド!」と言いながら、しきりにリビアの旅行パンフレットみたいなものを我々に見せてきました。全然ゴルファと関係ないじゃん! でもまぁ、リビアねぇ…。確かに観光資源が豊富なところですから行ってみたい場所ではありますけど、今リビアって、一人旅の人間にはビザは発行してくれないから行きにくいんですよね。もう少し情勢が緩和されてから検討してみますけど。 メタミウでの観光を終え、車はいよいよはジェルバ島へ。前述したように、ジェルバはチュニジア屈指のリゾート地です。ヨーロッパ人の多くがここへやって来て余暇を過ごすのだそうです。よく考えたら、私のこれまでの海外旅行で、リゾート地訪問なんて初めてですね。 さて、我々の3日間のツアーも、島内のホテルへの到着をもっていよいよ終了となります。ドライバーとなかなかコミュニケーションがとれなかったり、砂漠地帯の過酷な自然環境にお見舞いされたりと、いろいろな苦難はありましたけど、総合的には非常に充実していて満足できた内容だったと思います。独特な環境が造り上げたキャニオンや砂丘、ラクダの体験、そして現地の人との出会い…などなど、いろいろ楽しませていただきました。早いなぁ、もう終わるのか。もう少し長く砂漠の街に滞在してみたかった気もしますね。 車はフェリー乗り場に到着。大陸とジェルバ島の間にはフェリーが運航されているので、そのフェリーに車ごと乗船します。そして15〜20分ほど海を渡ってジェルバ島に上陸です。車はまずジェルバの中心であるフームスークという街へ。今夜のジェルバ島のホテルは、私とTさんとで異なります。彼らのホテルはこのフームスーク内にあるようです。つまり、Tさんともここでお別れです。3日間どうもお世話になりました。そして最初のピックアップのトラブルのときは本当にゴメンナサイね。これからも楽しい旅をお続けください。 二人と別れた後、今度はドライバーと2人だけで私の滞在予定のホテルへ向かいます。私のホテルは、ツーリスティック・ゾーンと呼ばれる高級ホテル街にあるそうです。話によるとプライベート・ビーチもあるんだとか。イヤ、別に希望していたわけでもないんですが、旅行会社によって勝手にこのホテルに決められてました。独りでビーチか…。日程表もらった当初は特に深く考えていなかったんですけど、正直、どう過ごそうかなぁ…? 10分ほどでホテルに到着です。ドライバーともここでお別れです。どうもお世話になりました。仕事とはいえ、話の通じない相手によくもここまで付き合ってくれたものですよ。どうもありがとうです。チップははずんでおきましたよ、10ディナールだけですけど。 さて、どうしようかな。とりあえずプライベート・ビーチがせっかくあるんですから、泳いでみようかとも思ったのですが、よく考えたら私、水着持ってくるのを忘れてました。一応ホテル前のマーケットに水着が売られてはいたんですが、26ディナールもするらしく、ふざけんなよって感じです。それ以前に、今日は何だか海から吹く風が非常に肌寒いです。なので、泳ぐことは即行あきらめることにして、プールサイドの椅子に長時間昼寝して過ごしたのでした。……リゾート地に来てまでただの日光浴ときたもんです。ただでさえこれまで炎天下の中を歩いて日焼けしてるのに、一体私は何してるんですかね、全く。
ホテルのプライベートビーチ
ところでこの夜、衝撃の事実が発覚です。なんと私、所持金が残り30ディナールしかありません。両替をしたくても日本円や米ドルもスッカラカンの状態です。うわっ、これはマジでヤバイ! チュニジア滞在はあと2日あるんだぞ。どうやって30ディナールで過ごせというんだオイ! おかしいなぁ、万一のためという意味で、財布とは別の場所に100ドルを隠し持っておいたはずなんですけど、その100ドル紙幣も見当たりません。アホかオレは、万一のためのお金を紛失してどうすんだ。100ドル紛失は痛いよォ…。
幸い、クレジットカードは手元にあります。カードでキャッシングができれば解決するんですが、果たしてチュニジアでそんなことできるのかなー? このホテルじゃできないって言われたし、近くに銀行らしきものもないし…。首都チュニスに戻ったときに大きな銀行で下ろせることを祈るしかなさそうです。
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