[秋田県]

寒風山(頂上は展望台)
訪問した曜日がよくなかったのか、男鹿線の終着駅である男鹿駅は閑散としていた。駅前の観光案内所で周回バスのフリーチケットを購入し、バスに乗り込む。案内所のスタッフさんがガイドとして同乗し、アナウンスで各種スポットの説明を始める。たどたどしい喋り方が、なんだかほっこりとさせられる。

男鹿と言えばやはり「なまはげ」である。まずはなまはげ館で下車する。今ではあまりにも有名な国の重要無形民俗文化財であるが、実は我々がよく目にする下の写真のようななまはげの風貌は一部であり、男鹿地方にはいろいろな顔のなまはげが存在するのだ。館内では各地区で使用されている全てのなまはげが展示されているが、その中には、可愛らしいタッチで描かれた、あまり怖くなさそうな表情のなまはげもあった。

 
併設する伝承館では、観光客がなまはげの儀式を体験することができる。民家を模倣したその館からは、なまはげの乱入に脅えたのだろう、キャーキャーと子供の悲鳴が外に漏れていた。…なるほど、そんなに怖いのなら、やんちゃな自分の子供を連れて来て体験させてみたい気もした。

ちなみに、このなまはげの写真を携帯電話で送って子供に見せたところ、それだけでも怖がっていたようだ。とりあえずしばらくは、これを「しつけ用」として使わせて頂くことにしよう。

再びバスに乗り、男鹿温泉に向かう。こちらも駅前と同様に人が少なく、どこか寂しげな雰囲気だった。それでも頑張って営業してくれている店があるのは嬉しい。


男鹿温泉郷
「秋田県で2番目においしいラーメン」と書かれた看板が目を引く食堂「島の家」では、しょっつるラーメンが人気だ。しょっつるは秋田県の家庭で使われる魚醤である。魚介のスープはあっさりして食べやすい。風味豊かな岩のりやじゅんさいがトッピングされているのも特徴的である。温泉宿に泊まって、外で呑んだ帰りに〆で食べたら抜群だろうなぁ……なんて、いつもの悪い癖で、また飲むことと絡めて考えてしまった。

食後は言わずもがな、温泉宿での日帰り入浴を楽しんだ。閑散としていることのいい点は、大きな風呂を独り占めできることだ。

男鹿駅へ向かう帰りのバスは、途中で寒風山と呼ばれる芝生で覆われた山を経由する。この山の頂上からは日本海が一望できるとのこと。なるほど、ここからの見晴らしはよさそうだ。時間の関係で下車できなかったのは悔やまれるところである。

ちょっと寂しげで最果て感はあるが、まだまだこの地の魅力は隠れていそうだ。今回はバス移動での日帰りの旅程となったが、次回は車での再訪(さらに泊りがけで)を目指そう。


寒風山への道はピクニックとしても楽しめそうである
【2013年9月記録】

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