[京都府]

保津峡
湯の花温泉に出向いてみると、そこは山奥にある温泉郷だった。失礼ながら初めて耳にした温泉地だったが、戦国武将が刀傷を癒したとされる記録もあり、歴史は古いそうだ。京都へはもう何度も足を運んでいるけれども、いつものような寺社仏閣巡りからは離れて、こういうところに行ってみるのもまた一興である。

亀岡に行くことになったきっかけは、私の「旅に出たい」という衝動がピークを迎えていたからだと思う。大型連休は仕事だからと高を括って何も予定を入れていなかったのだが、実際に出勤したのは数日だけで、すんなりと休みが確保できてしまった。そのため実際休めることになったものの、何もすることがないという状態だった。

そこでダメもとで旅行サイトを眺めてみることに。すると、連休の最中にもかかわらず、亀岡の湯の花温泉で空室のある宿を発見した。どうやら当日キャンセルが発生したとのこと。この状況を知って動かないわけがない。即行押さえて、その数時間後に出発するという強行軍に至ったわけである。

宿は満室だが、温泉郷は周囲が山々に囲まれた場所で自然を堪能できるためか、人の多さもまったく気にならない。温泉や宿の美味しい料理にも満足できた。休日に仕事をしたことによるストレスも、これで発散できたかもしれない。

宿泊した宿をはじめ、亀岡市内のいろんな観光施設で目にすることが多かったのが、「明智光秀を大河ドラマの主人公にしよう」というPRパンフやポスターだった。亀岡の観光協会で推し進めている町おこし計画であり、署名活動を実施している。明智光秀は初代の亀山城主として丹波国を治め、今日の亀岡の礎を築いたと言われる。市内でも毎年5月に光秀公を偲ぶ祭事が開かれているという。光秀公を大河ドラマにするとしても、正直どこまでネタが持つのかは分からないが、戦国時代の智将だけあって、意外とやってみると人気は高まるのかもしれない。

亀岡駅

トロッコ列車
亀岡で有名なものと言えばトロッコ列車だ。嵯峨〜亀岡間を走る嵯峨野トロッコ列車は、京都観光の人気スポットの一つである。もともとはJR山陰本線の旧線であり、電化のための新線敷設に伴い廃線となったが、保津峡の景観を観光資源として活用することになり、現在は観光列車として運行されている。
今回は5月の訪問であり、緑に染まる渓谷美は絶景であった。しかしながら、おそらく紅葉の時期に来てみれば、より色彩豊かな光景にめぐり逢えたのではないか?という思いも同時にちらついた。次回はその時期に来てみないといけないかな。
【2012年5月記録】

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