こうして世はすさむ
わたくしが世間から身をはずしているあいだ、
世相はずいぶんとすさんだようだ。
なぜ、
世はすさむのか。
すさむコトバをつかい、
すさんだいいかたでなじる。
それが横行する。
そういうことではあるまいか。
おたがいさま。
その気配がきえている。
すさむコトバと気がつかず、
ただ、
ただ、
すさむコトバをつかい、
すてる。
それに、
だあれも気づかない。
おなじコトバでなじられたら、
いやなのに。
その想像がきえている。
すさむのは当然。
すさむのはあたりまえだろう。
たちどまり、
コトバを吟味する。
はなしかたを意識する。
声はおおきくないか。
声はつとめて冷静か。
その意識。
ひとり、
ふたり、
さんにん、と、
しだいにふえて、
ある数にたっしたとき、
世はかわる。
それよりほかに、
すべはない。
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