脂身(あぶらみ)狂騒
牛肉。
このくにでは、
そのやわらかさが強調されすぎである。
牛肉を生産するがわも、
等級などという、
もっともらしい数字をもうけて、
これでどうだ、
といわんばかりである。
霜降り肉。
脂肪交雑。
脂肪のちらばりの目安で、
よりこまかく均等なものの等級が高くなる。
味の評価ではない。
コービー (Kobe Bean Bryant) ブライアント。
2020年にヘリコプター墜落事故でなくなった、
NBLの名シューティングガード。
かれの Kobe は、
まさしく神戸牛の神戸であるという。
かれの両親が、
Kobe Steak House をきにいり、
神戸 Kobe の由来をしり、
子にその名をさずけたときく。
シュラスコをたべるひとたちは、
霜降り肉はやわらかすぎるという。
かれらは脂肪ではなく、
肉を味わいたいのだろう。
赤身こそ牛肉である。
その赤身には等級はないときく。
牛肉をいただく、
ということは、
牛の赤身肉をいただくことにほかならない。
ニッポンでは、
牛肉をたべるのではなく、
牛脂をたべているというべきではなかろうか。
やわらかい赤身肉こそ、
珍重されてしかるべきである。
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