なでしこジャパンを予想してみる その2
貨幣とは制度である。
制度はやがて破綻した。
紙幣の本質は、紙だからである。
貨幣は紙幣となって堕落した。
輪転機は、複製をくりかえす。
紙は燃える。
信用がなければ、珍妙に印刷した、ただの紙切れにすぎぬ。
こども銀行とかわりない。
その信用とて、あるのかないのか。
ほんとうのところは、だれもしらない。
銀行業こそ虚業。
そういうことではあるまいか。
貨幣制度には不況という現象はすでに組込まれている。
不況をとっぱらうには、貨幣制度に拠らない、かねのかからない生活へ移行する。
とくに、運賃、家賃など固定費が高すぎる、この国の生活物価を見直す。
同時に自給し、自足する。
その精神を訓練し、修得をめざす。
個々が起(た)つ。
一定の割合で、そのひとたちの塊(かたまり)ができれば、状況は一変する。
が、一定の割合にならなければ現況はつづく。
不況のない制度とは、不況のない、もしくは、不況になる可能性の少ない制度にしかない。
ありえるのか、無茶なのか。
だれもためしてはいない。
人類は貨幣制度に安住し、貨幣制度とともに思考停止し、貨幣制度とともに堕落しはじめたのである。
で、なでしこジャパン。
いちばん攻撃の上手な選手である、澤穂希選手がゴールをめざす。
いちばん守備の上手な選手である、澤穂希選手がゴールを守る。
それまでの国際大会での澤穂希選手の意識が専守から、専守意識はそのままに、加点攻撃の意識が大幅に加味された。
エースはエースのなんたるか。
得点してこそのエースである、と。
エースという自覚をもたないエースは自覚した。
そして身をもって表現する。
そのチームが弱いはずがない。
変化はひとりからはじまり、ひろがっていく。