真理に媚びず 虚偽を蔑まず 知識に諂わず 無知を侮らず


  柔道サイコー

 北京オリンピック柔道100キロ超級。
 オリンピックチャンピオンは、
「柔道サイコー。」
といっておどけた。

 おとなたちは、そんな石井慧選手に、
「しゃべるな。」
と注意する。

 なぜ、そんなことをいうのだろう。

 石井慧選手がたのしそうにしゃべる。
 それをみて視聴者はたのしい気持ちになる。
 なにより、テレビのまえでくぎづけになっているのは、第2、第3の石井慧選手たちなのである。
 おとなたちはそれに気づかない。
 ニッポンだけではない。
 石井慧選手がおどける姿をみて、少年少女たちは柔道をはじめる。
 なぜか。
 楽しそうだから。
 石井慧選手こそ、ニッポン柔道のよき広告塔。
 だのに。

 筆者ならば、石井慧選手にしゃべってしゃべって笑かしてこい。
とハッパをかける。
 余計なことをいうな、とはいわない。
 そもそも余計なことなどないではないか。

 おとなたちはなにを恐れるのか。
 ニッポンの強化方針がばれる?
 だが北京オリンピックでそのような一貫性は感じられなかった。
 ではなにか。
 ニッポン柔道が軽んぜられるのが気にさわるのだろう。

 剣道はスポーツではない。
 貼紙をみたことがある。
 では剣道とはなにか。

 柔道対JUDO。
 柔道は柔道、JUDOと表すにすぎない。
 対立するものではない。
 世界に普及することが目的であったはずではないのか。
 フランスでは競技人口は約50万だという。
 そういう世界で石井慧選手は研鑽をつんだ。
 その結果のオリンピックチャンピオンである。

 柔道はスポーツなのである。





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