細野不巡 スタジアムで会いましょう
2007年
敬称略
2007年8月6日
  アジアンカップ2007を総括、今後のキーマンは梅崎司、菅沼実選手

 アジアンカップ2007を4位でおえた。
 
 決定力がない、という。
 著者はこの決定力という言葉に疑問をもつものだ。
 
 はたしてそれはシュートの精度が低いことをいうのか。
 さもなくば、シュートの本数のすくなさをいうのか。
 はてさてシュートする、そのアイディアに事欠くことをいうのか。
 
 そのすべてが決定力だと大方はいう。
 それだから埒はあかない。
 
 著者は感じている。
 
 ニッポンの選手諸君はシュートをうたないのではない。
 ニッポンの選手諸君はシュートがうてないのである。
 
 一定の条件がそろわないと、シュートをうたない、のではなく、
 一定の条件がそろわないと、シュートをうてない、のである。
 
 シュートをうつ。
 その動機づけが、満たされなければうてない、のである。
 
 その要素はほかの国の選手諸君よりも多く、未整理のままである。
 
 そこに迷いが生じ、結果、ニッポンの選手諸君は逡巡す。
 
 フットボールを入門のころの、シュート練習から、そのまちがいは始まっている。
 なにげない練習、無反省な準備、このなかに陥穽は在った。
  キーパーのいないゴールにむかってシュートをうたせるべきではなかったのである。

 ゴールがみえたら、即、シュートをうつ。
 シュートはゴールへのパスなんだ、という徹底。
 正しい股抜き。
 あそびとさげすまれてきたプレーこそ、正確に伝え、準備するべきである。
 
 しかして、その根本はゆるぎない。
 フットボールはゴールをあげたほうが勝つ。
 シンプルなスポーツだ、ということ。
 そのフットボールを難しくしているのは、実は、常に、われわれのほうだという認識を、持ちつづけることである。

 アジアンカップ2007、コパアメリカ2007、U-20ワールドカップ。
 今後のニッポンチームをうらなう機会にめぐまれた。
 アジアンカップ2007において、いちばんの経験不足はイヴィツァ・オシムそのひとにあった。
 
 これからのキーマンは梅崎司(大分トリニータ)、菅沼実(柏レイソル)両選手であろうとみている。
 ともに北京オリンピック代表チームの候補でもある。





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