細野不巡 スタジアムで会いましょう
2007年
敬称略
2007年6月13日
  コロンビア戦、稲本選手とポジション

 イヴィツァ・オシム監督は稲本潤一選手を、いわゆるトップ下で起用する。
 著者はいいアイディアだとおもっている。
 
 が、当の稲本潤一選手本人は、
 やったことのないポジションであること。
 本来のボランチのほうがやりやすいこと。
 等々のたまう。
 
 またか・・・。
 これだからニッポンはダメなのだ。
 
 ニッポンの選手諸君がポジションについての不満をこぼすたび、著者はおもいだす。
 ワールドカップアメリカ大会のブラジルチーム。
 そのときの左サイドバックのことを。
 
 レオナルド・ナシメント・ジ・アラウージョ。
 鹿島アントラーズではトップ下。
 Jリーグ通算49試合30ゴール。
 
 かれはセレソンに呼ばれたことを誇る。
 ゆえに、どのポジションであってもレオナルドは承服する。
 感謝こそすれ、不満などこぼすものか。
 われわれがするのはチェスではない、フッチボルなのだ。
 ベストをつくすだけさ。
 かれはウィンクしてみせた。
 
 適正な配置。
 つまりポジションへの適性。
 などと簡単にいう。
 けれど、そんなもの、はじめからあるのかどうか。
 確認済だ、とでもいうのだろうか。
 そんなものはおもいこみにすぎない。
 
 稲本潤一選手にとっては最高のチャンスであったわけである。
 わくわくする、くらいにならなくて、どうするのか。
 レオナルドとくらべると、ベクトルがまったく逆を向く。
 これをニッポン体質といわず、なんというべきか。





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