細野不巡 スタジアムで会いましょう
2007年
敬称略
2007年1月28日
  捏造とはなにか

 捏造。
 本当はないことをあるかのように偽ってつくりあげること。
 
 ならば、そこにもここにもあそこにも。
 この世は、捏造だらけ。
 捏造に無自覚なひと同士での捏造呼ばわり。
 時間がたてば、ここでもそこでもあそこでも。
 くりかえす。
 今回は関西テレビ。
 この次は・・・。
 放送界だけのことではないだろう。
 
 たとえば、サムライブルー。
 サムライを見たことのあるひとは、この世にはいない。
 にもかかわらず、あるかのように偽ってつくりあげている。
 これを捏造といわないのだろうか。
 
 サムライブルーがめざすのはその精神?
 武士道のなんたるか。
 わかるはずないのに。
 武士が絶えて何年経ったのだろう。
 一線はすでに画した。
 武士は死しても武士道は残る、とでもいうのだろうか。
 残っているのは、サムライという言葉だけではないか。
 
 たんなるポーズ。
 それも意味不明。
「それでいいんじゃないの。」
 日本サッカー協会はゴーを出す。
 大枚をはたいて大きな風船を飛ばしただけのこと。
 そういうことか。
 
 サムライとていい面ばかりではなかったはず。
 たしかにいい面もあったのだろうか。
 ほんとうのところはだれもしらない。
 この諦念をもつひとだけがサムライについて語りうるのではあるまいか。
 それも哀しく。
 声低く。
 
 ・・・・要望と現実とをすりかえてはならない。無いものはあくまで無いのだし、欠けているものはあくまで欠けているのだ。率直に先ずそれを凝視することから始めるべきだ。冷酷無慙に。事件の表面を慌しく撫でるように追っかけ、昔ながらの美しい人情の発露に感涙を流し、そして肝腎な厳しい事態との真剣な対決という段になると他愛もなくいい加減なところで和解し、いちばん不愉快な困難な人間探求はお留守にしている・・・・ 「林達夫著 歴史の暮方」
 
 苦言。
 かくのごとし。





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