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だれが格を決めるのか、坂本將貴選手の奮闘
11月8日於フクダ電子アリーナ
千葉0−1札幌
格下にやぶれる、と新聞は書く。
ジェフ千葉がコンサドーレ札幌に負けた。
天皇杯4回戦。
負けの常套句である。
では、問う。
その格はいったいだれが決めたのか。
そも格は存在するのか。
格下か否か、どこをもって一線を画するのか。
単に下部リーグだから格下といっているにすぎないのではあるまいか。
いいピッチャーはどうあがいても打てないものであり、相手が得点をし、こちらが得点できなければ負けるものなのだ。
格の問題ではない。
問題は、
「コンサドーレのほうが勝ちたいという気持ちが上だった。」
と試合後、まるで他人事のようにのうのうと語る佐藤勇人選手の所属するチーム。
それ自体にある。
選手が評論家になってどうするのか。
きみはその場にいたんだろ。
当事者ではないか。
90分間、いったいなにをしていたのか。
ただ黙って傍観していたというのか。
「このままじゃ、負ける。おれは負けたくないのだ。」
と声をあげたのか。
試合に負けないための、いままで培ったであろう経験を総動員したのか。
考えて走る、なんてまるっきし嘘八百ではないか。
ナビスコカップの決勝戦で勝てたのも、さまざまな偶然が重なったからにほかならない。
まさに僥倖であった。
決勝という大舞台でこそ坂本將貴選手は先発しなくてはならぬのに、そのかれがベンチスタート。
前半27分、マリオ・ハース選手のけがで交代出場。
先発からもれた坂本將貴選手のモチベーションはほぼベストの状態にあったことは間違いない。
チームの核がやるき満々なのだ。
これが大きな要因。
それと、イリアン・ストヤノフ選手が出場しなかったこともさいわいした。
ことしのイリアン・ストヤノフ選手はミスパスとファウル、審判へのクレーム、そのすべてが多すぎる。
いまのかれに助っ人の資格はない。
中盤のチェイシング。
もちろん岡本昌弘選手、水本裕貴選手、斎藤大輔選手の攻守。
MVP水野晃樹選手の攻撃はすばらしかった。
が、やっぱりたまたま勝てたにすぎない。
とはいえ、結果がすべてである。
ジェフ千葉の裏方、祖母井秀隆さんの去就。
祖母井秀隆さんはイヴィツァ・オシムを連れてきたひとである。
とはいえ、それはすでに過去のこと。
語るべきは過去でも未来でもない。
いま、であるべきだ。
祖母井秀隆さんはなにをしたのか。
結局かれはアマル・オシムをジェフ千葉の監督にすえた張本人ということになる。
著者はアマル・オシム監督の采配が不満。
なぜ阿部勇樹選手をアタッカーで起用しないのか。
攻撃のアイディアに富む選手を、なぜ敵ゴールから遠ざけるようなまねをするのか。
それに、なぜあたらしいフォワードを登用しないのか。
リスクをおかせ、と笛吹けども、リスクのリの字すらおかすことなく、リスクマ
ネージメントなぞとのたまって、リスクをおかすという本題をたなあげする。
選手も監督もフロントも同罪である。
祖母井秀隆さんがジェフ千葉にとどまって、いまよりも上へいけるのだろうか。
無理である。
いままでが精一杯だろう。
もしかれが、たとえばペリクレス・シャムスカという名のブラジル人若手監督を起用したのならば話はべつだ。(2006年11月09日)
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