スタジアムで会いましょう

  これではまるで違反の取締り

 10月7日、Jリーグ川崎フロンターレ対大分トリニータ戦で、
 試合前に大分の上本大海選手が警告をうけた。
 指輪をつけていたからである。
 
 このニュースを読んで著者は無性になさけなくなった。
 これではまるで違反の取締りじゃないか。
 これもJリーグ。
 
 プロフェッショナルの試合であるならば、
 審判はイエローカード、レッドカードをいかに出さずに試合をコントロールするか。
 その技量こそを評価すべきなのに。
 これでは本末転倒じゃないか。
 裏方が表に出て、いったいどうなるのか。
 分際を知るべきである。
 
 試合まえに、
「指輪をはずしなさい。はずさないとイエローカードになります。」
といえばそれでことたりる。
 これは権力をかさにきた、いじわる、そのものではないか。
 程度が低い、といわざるをえない。
 
 おなじ日の新聞の片隅に、
 ブルガリアで審判が集団暴行を受けた事件が載っていた。

 リストスコフ主審が3人組にバットで殴打された。
 リストスコフさんは9月17日ブルガリアの首都ソフィアのダービーマッチ、レフスキ・ソフィア対CSKAソフィアで主審をつとめた。
 結果はレフスキ・ソフィアが1−0で勝った。
 決勝ゴールはPK。
 その判定を下していた。
 
 この報道が世界を回る。
 こういう悪しき風潮は、あっというまに世界に広まるものである。
 ニッポンでも似たような出来事がおこる可能性は確実に高まった。
 
 ノーサイド。
 
 それを支えるのは、スポーツマンシップという糸でしかない。
 見る側の、演じる側の、判断を下す側の、
 それぞれのこころに宿る糸でしかない。
 ときにはピンとはる。
 ときにはたるんだり。
 ときにはほつれ、だまができよう。
 が、結局は一本の糸。
 たやすく切ることのできる、たかが糸でしかない。
 
 ひとりひとりが、強く、はっきりと、こころしていくよりほかに道はないのだ。(2006年10月8日)




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