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なぜ田中マルクス闘莉王選手を代表チームに呼ばないのか
田中マルクス闘莉王選手。
ことしも浦和レッズの躍進を担う。
躍動するキャプテンシー。
すばらしい。
その田中マルクス闘莉王選手がなぜか代表チームに呼ばれない。
なぜジーコは田中マルクス闘莉王選手を無視しつづけるのだろうか。
「無視はしていない。」
ジーコはいうだろう。
けれど試合に呼ばないのならばそれは無視とおなじじゃないか。
いかないのなら、おれがいくぞ。
田中マルクス闘莉王はそういう男である。
シュートを打たないアタッカーにたいして、田中マルクス闘莉王は、
「シュート打たないんだったら、おれが打つ。」
と考える。
シュートを打っても打ってもゴールに入らなければ、
「おれが入れる。」
田中マルクス闘莉王は考える。
なぜか。
試合に勝つ。
それが期待にこたえる唯一の方法。
かれはつねに期待にこたえたい。
こんなに応援してくれるのに。
手は抜かないよ。
ひとり田中マルクス闘莉王選手の勝利への渇望が他のJリーガーたちのものとは
まったく異なるからである。
かれのみにあらず。
ゴールをあげて試合に勝つ。
そこに執念をもやしているのはつねに助っ人とよばれる選手ばかりである。
かれらの多くは競争のなんたるかをしる。
それは競争に敗れたらどうなるかをしることにほかならない。
日本籍Jリーガーたちのなんと競り合いの弱いことか。
なぜジーコは田中マルクス闘莉王選手をかれの代表チームに呼ばないのか。
結局は、好きか、嫌いか。
使ってみたいか、使ってみたくないのか。
そのいずれかでしかない。
使えといわれて使わないあまのじゃくもいる。
時間がないから、とうそぶくものもいる。
田中マルクス闘莉王選手がJEF千葉にいたならば、イヴィツァ・オシムはどう
するだろう。
著者は想像してみる。
「まえへいっていいか。」
田中マルクス闘莉王選手のサインにオシム監督はどう応えるだろう。
はじめからフォワードで使うだろうか。
それともボランチか。
たぶんいまのまま、ディフェンダーで使うだろう。
いまのJEF千葉に決定的に欠けているもの。
ひいては代表チームに不足しているもの。
田中マルクス闘莉王選手はそのいずれをも持っている、稀有な選手である。(04.11.06)
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