岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  ラモス効果  たたかう波戸康広選手、増田忠俊選手
 
 柏レイソルがガンバ大阪に勝った。
 降格の危機にある下位チームが現状の首位を破る。
 フットボールサッカーではしばしば見る光景である。
 それだけのことじゃないか。
 それなのに、まるで、優勝でもしたかのようにうかれている。
 なさけない。

 ラモス瑠偉コーチをみよ。
 前面にでることをひどく嫌っている。
 あたりまえだ。
 勝利は選手のものだからだ。
 
 ラモス効果だという。
 それはそうだろう。
 ラモス瑠偉さんはワールドカップで4位になっている。
 4位だぜ、4位。
 すでに実績をもっている。
 たとえそれがフロックとしても、フロックだけで世界のナンバー4になれるはずがない。
 
 著者がいちばん腹立たしいのは、レイソルの選手諸君のプレーがいままでと違っていた、その1点である。
 
 たしかに波戸康広選手や増田忠俊選手はたたかっていた。
 最後列から選手を叱咤する波戸康広選手の雄姿。
 その姿こそ柏レイソル、ひいてはニッポン代表に欠けているものである。
 ニッポン代表復帰もみえてくるのではなかろうか。
 増田忠俊選手はまるでブラジルのエメルソン・フェレイラ・ダ・ロサを彷彿とさせた。
 あれこそがボランチなのだ。
 プレーの質の変化は、ともすれば増田忠俊選手の選手寿命をもながくさせるのではあるまいか。
 
 が、エース玉田圭司選手が試合後のお立ち台で、
「ラモスがきたから気持ちがはいった。」
 なぞとのたまう。
 がっかりだ。
 
 ならば、ラモス瑠偉がこなかったら、まえとおなじようなぶざまな試合を繰り返したのか?
 著者は問う。
 負けるのはエースがたたかっていないからじゃないのか。
 勝てないのはエースがゴールをあげてこなかったからじゃないか。
 いってみれば、柏レイソルの弱体は玉田圭司選手の責任、それにつきる。
 
「ラモスコーチがはいってから、かわりましたね?」
 報道陣にきかれても、
「そうですか、なにもかわっていませんよ。かわったのはみなさんの見方ではありませんか。」
 という。
 意地でもそう言う。
 それがプロだと著者は信じる。(9.18.05)





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