岩井不巡 スポーツコラム
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  不可解、大熊清ヘッドコーチの選手起用、世界ユース選手権
 
 協会は大熊清ヘッドコーチにユースチーム再任のオファーを出しているという。
 考えものである。
 
 ユースチームの大熊清ヘッドコーチはJリーグに出場している選手と、学生リーグに出場している選手を区別しなかった。
 世界ユース選手権での選手起用法は、つまりそういうことであった。
 
 筑波大学の平山相太選手、早稲田大学の兵藤慎剛選手を先発。
 普段かれらがたたかう相手の主体は学生である。
 一方、サンフレッチェ広島の前田俊介選手を起用したのは第3戦の対オーストラリア、それも58分の途中交代、しかも交代したのが、その試合ひとり気を吐く家長昭博選手であった。
 前田俊介選手が普段たたかっている相手の主体はJリーガー、そのディフェンス陣である。
 ガンバ大阪の家長昭博選手もまったくおなじである。
 
 学生とJリーグ。
 その違いはディフェンスにこそある。
 学生とJリーグは、こどもと大人の違い。
 ともすれば雲泥の差。
 前田俊介選手はJリーグではたらいている。
 
 端的にいう。
 大熊清ヘッドコーチは学生を重用し、プロフェッショナルを軽んじた。
 だから世界には通用しなかった。
 協会はその習性を改めようとしないひとに再びオファーを出している。
 
 世界的にみても、ユニバーシアードなどで有頂天になっているのはニッポンだけじゃないか。
 おとなり韓国のユースチームをみたまえ。
 そこでの中心選手はもちろんKリーガーである。
 Kリーグこそが頂点で、そこで使い物にならないから大学に流れる。
 4年後に変貌をとげてこそ、そこでまたチャンスを待つのである。
 
 偏向はなかったのか。
 
 偏向という強固なものよりもむしろ、稚拙な感覚のずれ、見当違いがあるとしかいいようがない。
 サンフレッチェ広島の前田俊介選手、ガンバ大阪の家長昭博選手のみならず、名古屋グランパスエイトの本田圭祐選手、JEF市原千葉の水野晃樹選手等の起用にも最善、次善がまったく感じられない。
 偏向はむしろ著者なのか。
 
 不可解だけが残る。(7.1.05)





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