岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  世界との差
  女子バレーボールワールドグランプリ対ブラジル戦
 
 フルセットの末、ブラジルに負けた。
 6/26日、女子バレーボールワールドグランプリ第3戦、相手は強豪のブラジル。
 
 最終の第5セット、14対12。
 全日本がマッチポイントを握った。
 サーバーはこの試合19得点で大活躍の大友愛選手。
 コート深くを狙ったが、ラインをはるかにオーバー。
 翌日、痛恨のサーブミスと新聞は書く。
 
「自分のミスで負けた。」
 大友愛選手はそうおっしゃっている。
 が、それは違う。
 まったく違うぞ。
 
 問題はその時点までに相手の攻撃を1本もブロックできない前衛であり、手をこまねいているだけの無策な首脳陣にある。
 それはつまりチームを指揮する柳本晶一ヘッドコーチの責任でしかない。
「あと1点の重みを感じさせててくれたゲーム。」
 敗軍の将が総括してどうする。
「わたしの、ヘッドコーチのミス。」
 と、一言いうべきであった。
 
 すべての攻撃をシャットアウトせよ、といっているのではない。
 そんなことできるはずもない。
 
 かりに5セット目の序盤にブロックポイントを2点きめていたとしよう。
 それだけで、勝てたかもしれない。
 もし、かりに、という表現が気にいらないとしても、ブロックを2点、決められていれば、サーブを1本ミスしようが、大勢に影響しない。
 このブロック2点。
 それが世界との差なのである。
 
 ふたたびいう。
 肝腎なときのサーブやスパイクなどの攻撃でのミスのせいではなく、肝腎ではないときのブロックポイントが少なすぎるゆえに全日本は負けたのである。
 それは試合への入りかたにこそ問題がある。
 にもかかわらず、それについて議論されていない。
 そういうことではないか。(6.27.05)





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