岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  John Lennon ジョン・レノンに

 Give Peace a Song 。
 CBCカナダ放送制作のTVドキュメンタリーを見た。
 Give Peace a Chance 。
 平和を我等に。
 by John Lennon。

 筆者が漠とあこがれていた男は、かくも偉大であったのか。
 そうおもうと、涙があふれた。

 筆者はジョン・レノンの、いったいなにを知り、いったいなにを理解していたのだろう。
 ひとはジョン・レノンの、なにを理解できたのだろう。

 カメラに映るジョン・レノンはいつもひとりぽっち。

 ベッド・インは茶番じゃないか。
 そんなことしたって、無駄じゃないか。
 ジョン・レノンにインタビューするひとは、だれもがジョン・レノンに懐疑の目をむけた。

「そんなことしたって意味はあるのかい?」
「意味はあるさ。ぼくは信じている。」

 ジョン・レノンはいつもひとりぽっち。
 かたわらに洋子さんがいるだけだ。
 洋子さんがいても、やっぱりジョンはひとりぽっち。

 あるひとは、
「これも拒絶し、あれも拒絶し、そのあげくのはてに徒手空拳、孤立無援の自己自身が残るだけにせよ、私はその孤立無援の立場を固執する。」
と書き、またあるひとは、
「孤独はふるさとだ。」 と書く。

 ジョンには孤独という言葉よりも、ひとりぽっちのほうがにあう。
 さみしんぼのジョン・レノン。

 さみしさをエネルギーに変える。
 時間はかかるのかもしれないけれど、そのエネルギーに火がつけば、
「平和を我等に」することができるかもしれない、
 ジョン・レノンは教えてくれる。

 さみしさはだれもがもっている。
 それは、ほんとうは宝の山なのかもしれないぜ。

 さみしそうに微笑むと、ジョン・レノンはむこうへいった。
 そのときも、やっぱりジョンはたったひとりで。(12.12.05)





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