岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  つぎは海外か、JEF千葉、阿部勇樹選手
 
 JEF千葉がナビスコカップに勝った。
 JEF千葉の若きキャプテン、阿部勇樹選手の献身的な試合内容はMVPに匹敵する。
 JEF千葉の精神的支柱となった。
 立場がひとをつくる。
 その例証がひとつふえた。
 
 さぁ、これできみは、
「タイトルをひとつでも獲りたい。」
といった希望を最低限、かなえたことになる。
 つぎはきみが決断する番だ。
 
 つぎは海外か、阿部勇樹選手。
 
 リーグ1でも、リーグ2でもかまわない。
 噂のチームはフランスのリーグ2に属す。
 
 結局、世界とわたりあうためにはニッポンの言葉が通じないところで、ニッポンの常識の及ばない、ほんとうのアウェイで、サムライとして一度は起たなくてはいけない。
 世界と伍していくならば、その世界を肌で感じとらなければならない。
 ニッポンで、ではなく、異国の地で、である。
 ニッポンをしっかと意識せねばならぬ。
 
 肌や目、はなす言葉がちがう。
 体臭、そしてきつい香水。
 アジアへの偏見に出くわしてみたり、ニッポンを中国の一部だとおもわれたり。
 やたら背が高かったり、骨太であったり。
 それはそれはスピードがものすごかったり、
 手や足がニョキッと長かったり。
 それでも所詮おなじ人間なのだ。
 
 骨を埋める気概でのぞんでほしい。
 
 何年かして、ストラスブールにも在籍したことのあるイヴィツァ・オシムがきみを指して、わたしの愛弟子 Yuki Abe 、といって自慢するようになっているかもしれない。
 何年かして、イヴィツァ・オシムが直々、阿部勇樹選手に会いにくるかもしれない。
 そのときは何語をあやつって語り明かすのだろうか。
 
 いい上司にめぐりあえることは、しあわせである。
 それも運。
 意志をもって行動するもののみに与えられる。
 うらやましいかぎりである。(11.8.05)





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