岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  ナビスコカップ決戦前夜
 
 贔屓のチームJEF千葉がナビスコカップ決勝にでる。
 優勝の権利を得ているというにすぎない。
 勝者のみが次のステップにうつる。
 
 決勝は2度目。
 1度目、それは惨憺たる結果であった。
 立石智紀選手、櫛野亮選手、阿部勇樹選手はその惨状を知る。
 そのかれらが鍵をにぎる。
 
 たたかいはフィールドのなかだけではない。
 応援席に、そしてベンチにある。
 かれらはあの試合をはたから観ていた。
 チームにはなにが欠落していたか、それを知る。
 ゆえにその欠落を埋める存在となりうるか。
 そこを問う。
 
 経験のないチーム。
 決勝だ、満員だ、国立だ、という、ただそれだけでヒートアップ。
 むしろいかに冷静になるか。
 勝負をわける。
 
 興奮するものに、冷静になれ。
 といっても無意味なのだ。
 冷静になるためには、冷静になる訓練、そしてなによりも言葉が欠かせない。
 冷静になる訓練とてその言葉を介しなければできやしない。
 
 先制されても勝つ。
 さらなる追加点を許しても、なお勝つ。
 退場者を出しても勝つ。
 現実はシナリオをあざわらうかもしれない。
 が、最悪のシナリオをもっていればこそ、いざというとき、ひとつのシナリオを選びとれる。
 それが想定の範囲ということである。
 手間はとらない。
 あたまの隅っこに置いておけば良いのだから。
 
 ガンバ大阪をたたいて、リーグ戦を優位にする、というのでは優等生すぎるナ。
 海外へ移籍するための格好の素材となりうるだろう。
 全国に顔と名前をうる、知名度アップ絶好のチャンスともなろう。
 ドイツワールドカップ、ニッポン代表チームへのあしがかりはいうにおよばず。
 年俸をあげるまたとないチャンスであることも間違いなかろう。
 JEF千葉の選手諸君、選ばれしきみたちが野望をつかまえるときがきたのだ。
 
 時代なんてパッとかわる。
 その起爆剤となれ。
 人生だってパッとかわる。
 その触媒として、決戦を活かせ。(11.4.05)





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