岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  JEF千葉、阿部勇樹選手にとって最大の敵、それは怪我
 
 リーグ戦もいよいよ終盤。
 ぶっちゃけ、11月12日の対ジュビロ磐田戦は勝利しなくてはいけなかった。
 それをいえばきりがない。
 
 セレッソ大阪に負けた時点であきらめなくてはいけなかったのかもしれない。
 たまたまナビスコカップで勝利したがために、欲心を起こしたのだろう。
 ナビスコカップは、無心の勝利であったのに。
 
 なにせそれまで勝ったことがないのだもの。
 よろこびかたがわからない(!)とはそういうことである。
 幸か不幸か、諸君は勝つよろこびを知ってしまった。
 
 あきらめるということは捨てることではない。
 無心になるということである。
 それができていないのは、気持ちの整理を怠るからである。
 その方法を模索しないのだもの判るはずがない。
 
 ただひとり、イヴィツァ・オシム・コーチのみが平静をたもつのはけっして偶然ではない。
 イヴィツァ・オシムはすでにあきらめている。
 それはポーズではない。
 ともするとクールすぎるきらいもあるけれど。
 かれイヴィツァ・オシム・コーチは、だから冷静になれる。
 
 阿部勇樹選手がJEF千葉のキャプテン、そしてニッポン代表選手として活躍する。
 帆船が順風にのるがごとく。
 アドレナリンはいつも満タンであることだろう。
 が、気をつけなければならないのはこういうときではなかろうか。
 不調は好調のうちに孕むもの。
 勢いがいいのは、ただ、下り坂をころげおちているだけなのかもしれない。
 
 いまのきみが注意すべき最大の敵は怪我。
 まじめなきみのこと。
 まじめさがあだとならぬように祈るばかりである。
 ひとはえてして、その得意分野でミスをする。
 きみの得意分野はまじめであることでもあろう。
 皮肉ではない。
 
 なにごとにも100%全力でいどむというのではなく。
 90%のイメージで、力を抜いて、ことにあたることを奨めたい。
 余計なことかもしれないが。(11.18.05)





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