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引退するな、元木大介選手
「巨人のユニホームを着た時から巨人で終わりたいという気持ちが強かった。」という。 それはそれでいい。 でも、どこか、かっこよすぎゃしないか。 元木大介選手の最後にはにあわない。 ええかっこしたって、そんなものはすぐ忘れられるぞ。 きみに似合うのは、やっぱりドロだらけのユニフォーム姿。 だのに、ここ数年は途中出場ばっかしで、ユニフォームはいつもまっさら。 ジャイアンツはいったいきみになにをしてくれたのだろう。 よその飯を喰うのもわるくないんじゃないか。 その見切りをジャイアンツに対してつけるならば、おおいに賛成だ。 だのに、引退とは。 なんたる拙速!
で、筆者は声を大にしていいたい。 引退ならいつだってできる。 いつだってできることをするこたぁない。 きみの尊敬する清原和博選手をみたまえ。 吉井理人選手をみたまえ。 工藤公康選手をみたまえ。 きみが後輩のよき手本になる番が巡ってきたというのに。 それを忘れてもらっては困る。 手本はだれでもいいというもんじゃない。 現役はいましかできない。 元木大介選手よ、引退するな。 きみならば、常時出場をめざせば、全試合出場だってできるんじゃないのか。 ゴールデングラブ賞だって夢じゃない。 ベストナインだって、夢じゃない。 そうなればきみのチームだって優勝できるかもしれない。 ひとりでチームをかえようとしてもチームはかわらないかもしれない。 けれど、まず元木大介ひとりがかわる。 それをみているチームメイトがかわる。 それをみている後輩がかわる。 するとチームはしだいにかわっていく。 逆にいえば、チームはそんな風にしかかわっていかない。 金本知憲あにきの阪神タイガースをみてごらんよ。 ひとりではチームはかわらない。 そうじゃない。 ひとりからかわらなければチームは永劫かわるまい。 監督が主役になれるはずもない。 けっして威張ることのない元木大介がチームを率いる。 そのチームが勝利する。 旋風を巻起こす。 ドロだらけ、汗まみれのユニフォームを身にまといながら。 元木大介はやがてあにさんと呼ばれるようになる。
元木大介だからできる芸当である。(10.3.05)
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