岩井不巡 スポーツコラム
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  JEF市原千葉、茶野隆行選手、村井慎二選手がジュビロ磐田に移籍する

 たとえば茶野隆行選手がJEF市原千葉のキャプテンであったならば、はたしてかれはジュビロ磐田へ移籍したであろうか。
 もし、村井慎二選手がJEF市原千葉のキャプテンであったならば、かれもまたジュビロ磐田へ移籍したであろうか。
 阿部勇樹選手が移籍しなかったのは、ただ、かれがJEF市原千葉のキャプテンであったからである。
 それゆえに無責任にはなれなかった。
 
 この移籍によって茶野隆行選手が、村井慎二選手が、得をしたのか。
 ひとり阿部勇樹選手がわりをくったのか。
 それはわからない。
 すくなくとも阿部勇樹選手は責任をふたたび背負ったことだけはまちがいない。
 それが残るということである。
 かれはJEF市原千葉を選んだのである。
 
 ただ、キャプテンという実質が阿部勇樹選手の評価にたいして正しくあらんことを。
 「ごくろうさん。」というかけ声だけにとどまらず、チームはキャプテンにたいして相当のギャランティーを払わなければならない。
 チームにキャプテンはひとりしかいない。
 それはチームマネージャーとおなじである。
 
 移籍というのは責任を放棄することである。
 しかしあらたな責任を期待とともに背負うことでもある。
 それゆえ失敗には大きな代償がともなう。
 その危険を、かれらは冒してもなお移籍する。
 その心意気を買おうではないか。
 
 移籍が選手生命を延ばすのか、さもなくば縮めるのかはだれにもわからない。
 やがてかれらはふたたび戻ってくるかもしれない。
 移籍があたりまえになることが望ましい、とはおもう。
 
 サポーターとして、移籍する選手にたいしては寛大に、ただしホームゲームのときはブーイングで応えるつもりである。
 敵にまわすと怖い。
 茶野隆行選手に、村井慎二選手に、そう感じさせるのである。
 正々堂々と。(1.24.05)





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