岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  中田英寿選手は必要ないのか

 不在者はいつも悪人。

 ポツポツと出始めた中田英寿選手代表不要論である。

 記者諸氏、いままではなかなかいえなかったようである。
 中田英寿選手の取材しにくさ、苦手意識が、その根底にある。

 質問しにくく、ご機嫌がうかがいにくいこと前例がない。

 要は中田英寿選手を畏怖するばかりで、かれの視線に近づく努力、工夫をしてきていないからにほかならない。

 選手諸君にしてみると、中田英寿選手とはやりにくいのも事実であろう。

 たとえば、小野伸二選手のコーチングは簡潔をそのむねとしている。
 それにくらべて中田英寿選手のコーチングはセンテンス主義なのではあるまいか。

 いちいち主語述語で厳密にいわれることに、他の選手は慣れていない。

 だれか、近くでかれらの声々を拾ってみるといい。
 それこそがフィールドワークである。

 記者諸君が、そして選手諸君が、ヒデ中田英寿選手の視線と同水準のものをもちうるときになって、はじめてヒデ中田英寿選手の考えていることが氷解するごとく理解できるようになる、のかもしれない。

 いずれにせよ時間はかかるのである。(6.8.04)





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