岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  基本をおこたるぼんくらミス

 イングランド戦。
 失点は楢崎正剛選手のぼんくらミスである。
 やってはいけないことをかれはやった。

 ファンブルを狙っているマイケル・オーウェンのまさにおもうつぼであった。
 あのとき楢崎正剛選手は捕球しようとした。
 その判断がまちがっている。

 低く強い弾道のシュートにはパンチでよける。
 もしくはてまえに落とすか。
 それが基本。
 その基本をかれは怠った。

 こういうのをぼんくらミスという。

 なぜこういうブレーが多く見られるのだろうか。
 それは、やはり考えてプレーしていないからである。

 そも考えるプレーとは。
 基本の反芻であり、危機状況への心構えでしかない。

 コーチングも足りない。
 後半、イングランド陣営にスペースができた。
 そこへボールを回すことが一番の安全策であり、ベストの状況判断であるにもかかわらず、敵選手の集うセンター域にボールを集めてしまう。
 これなぞは、ゴールキーパーをふくめたバックス陣が声をだして制御できることである。

 中村俊輔選手は、完調にはほど遠い。
 が、復調への兆しははっきりと見えたのではあるまいか。
 復調は全力でたたかう。
 その姿勢のなかからしか見出せないものである。
 そのときにつかめるかどうか。それは本人にしかわかるまい。

 これも一種の才能である。(6.2.04)





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