岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  小トルシエ型、鬼軍曹がまかりとおる

 野球であれサッカーであれ、リトルリーグの監督、指導者はまるで王様である。
 鬼軍曹。
 とても傲慢にみえる。

 グランドで結果をだしている場合、父兄はなにもいわない。
 父母のかわりに身を挺してくれている場合にも同様、鬼軍曹へのもてなしは、まるで指先から足の爪までマッサージするかのように手厚い。
 そうして王様の機嫌をうかがっている。

 よそのチームにいってもらっては困るのは親たちである。
 すくなくとも自分の子供が所属するあいだは指導してもらわなくてはならない。

 有名校の監督は煩事に忙殺され、育成など見ていられないという。

 勝敗にこだわっているのは、むしろ親のほうで、それを感じて監督がいるわけである。
 だから勝にいく。
 子供のためじゃなくて親のために。
 これが日本の現状である。

 育成の実相がこうならば、育成の次段階でもこうなるにきまっているのである。

 フィリップ・トルシエ流といえば聞こえはいいが、小トルシエ型鬼軍曹がまかりとおるはずである。(5.7.04)





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