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日本だけのシステム
「ハンガリーとのフレンドリーマッチの試合後、ローター・マテウスと語り合う姿をみて、うちのおやじ(ジーコ)も、なかなかやるなぁ。堂々としていて、たのもしく見えました。威厳こそ世界と渡り合うためには欠かせないもの。フース・ヒディングにもありました。」
「たしかにそうだ。けれど、威厳なら、相手の監督にしめすんじゃなくて、味方チームの選手たちにこそしめすべきだね。試合は負けたんだよ。」
「日本で成功するマネージャー、ヘッドコーチの資質、条件についてどうお考えになりますか?」
「サッカーも野球もトップは海外へ渡る。そこにトップのリーグがない場合は。選手は海外へいっても日本の監督は世界で勝負できていない。なぜそうなってるのか考えればいいんじゃないのかな。」
「世界のトップリーグが日本にあるからか、さもなくば日本だけのシステムで完結しているからでしょうか。」
「日本のリーグはトップですか。イチローも中田ヒデも日本にかえってこないんじゃないですか。」
「日本だけのシステムがあってそのシステム自体で完結してしまった。」
「アマチュアリズムを限定した解釈するでしょ、日本は。東京オリンピックが成功した、その影響が大きいのだとおもう。ワールドカップよりももしかしたらオリンピックを大事にする傾向ってあるでしょ。男子サッカーだけね、ワールドカップなのは。しばらくすればワールドカップの成功が東京オリンピックの成功にくらがえするだろうけど。」
「世界選手権、ワールドカップ、オリンピック。たしかに優先順位はオリンピック、世界選手権とワールドカップが同じくらい。」
「日本国内だって、国体があり県予選がある。社会人があって高校選手権。頂点がひとつじゃないのね。いろんなところにいろんな頂点がある。あり過ぎるんじゃないのかな。それに頂点ごとに風土、雰囲気がちがう。そのたびごとに完結するんだけれど、あとが続かない。つぎの段階はまたいちからはじめる。それがいいとおもわれている。点と点で、線になっていない。もったいない。だからこそクラブをつくって、そこでいろんな競技ができるシステムが必要なんだよ。いろいろと試せる選択肢があることがベスト。ということはこどもにとってもベストなんだ。きょうは水泳、あしたはバスケでいいんだよ。そのなかに野球があってサッカーがある。」(5.3.04)
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