岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  なぜ負けたのか、バレーボール男子全日本

 無惨なり、バレーボール男子日本代表。

 大会を通して、細かなミスが多かった。
 練習でミスのチェックを軽んじ、ミスを放置したせいで起る。

 なんのことはない。
 ドンマイ、ドンマイで済ませるからこうなるのである。
 きめ細かな練習をしてこなかった田中幹保監督の決定的な失策である。
 最初のひとつのちいさなミスを見過ごし、あとはだらだらと中国、豪州、イラン戦と各試合ごと通算で2セット分の失点を繰り返した。
 チームの潜在能力の高さなどという抽象はどうでもよく、チームのミスがすくなくなったか、どうかが肝腎。
 田中幹保監督の視線はズレていた。

 バレーボール女子日本代表との決定的な違い。
 それは、

 バレーボール男子日本代表チームに吉原知子選手に匹敵する選手がいない。
 それとセンタープレーヤーの脆さ、弱さにある。
 センタープレーヤーの上背はワールドクラスではあるが、
 @背筋力が弱いのか、パンチ力がない。
 Aおれに回せという勝ち気がない。
 B相手の速攻をブロックできない。
 センタープレーヤーとしての仕事がなにひとつできていない。
 そのうえ試合中も、ミスをしてはニタニタ笑ってドンマイ、ドンマイ。

 アテネに行けても行けなくても、ベストをつくせばいい。
 そうおもっていたのだろう。
 ベストをつくしてアテネに行く、
 とは同時に、
 ベストをつくせなかったらアテネには行けない、
 ということをも意味する。
 が、かれらバレーボール男子日本代表選手のほとんどは、そのことに気づけなかった。

 アテネに行く。
 目標はそれだけで十分であった。(5.27.04)





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