岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  負けてたまるか

 アテネ五輪女子サッカーアジア最終予選で日本代表が決勝進出をきめた。

 ワールドカップ、アメリカ大会最終予選。
 ドーハで奮闘する代表チームをおもいだしていた。
 たたかう、とはどういうことかふたたび考えていた。

 負けてたまるか。
 この気持ちがチーム全員の心を支配した。
 ただそれだけでチームは変る。

 ポジショニングの悪さ、稚拙なパスミス、視野の狭さ、反省材料をあげればきりがない。
 そんなことだからU.S.A.やノルウェー、ドイツにだって勝てやしない。
 それはそうかもしれない。
 が、北朝鮮を破った事実は、勝利を信ずるもののみに与えられた経験である。
 そのかのじょたちが、どこにも負けない、というのであれば、どこにも負けない可能性はある。

 たたかってもいないのに、勝負がつくはずないじゃないですか。
 これがかのじょたちが出した結論である。
 よろしい。
 信じよう。

 これは奇跡などではけっしてなく、普通の人間が全力をもってなしえることを証明したにすぎない。

 勝利は、勝つ、この気持ちを寸分の疑いなく持ちうる選手がなんにんいるか、これで決まるのである。(4.26.04)





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