岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  鬼の形相、中山雅史

 中山ゴン雅史選手。
 ときに鬼のような形相で、左胸を拳でたたく。
 恐ろしい人だ。

 名古屋戦。
 磐田のペナルティーキック。
 キッカーはロドリゴ・グラウ。
 右サイドへ蹴った。
 楢崎正剛選手、好セーブではねかえす。
 そこに中山ゴン雅史選手がつめていた。

 来るとおもっていた、という。
 なるほどボールがころんできたのであるか。

 おおくはここでまちがえる。
 ボールがきた、とほかでもない当の本人、中山ゴン雅史選手がおっしゃっているのだもの。
 が、そうではない。
 中山ゴン雅史選手がボールのところへ駆けだしていた、にすぎない。

 素晴しいのは、そのプレーを、いつもおこたらない、かれ中山ゴン雅史選手の姿勢である。

 無駄さ、そんなこと。
 たまたまさ、今回だって。

 まわりの人たちがなんていおうと、中山ゴン雅史選手は、あすも、あさっても、しあさっても、再度、再々度、再々再度、くりかえすにちがいない。
 鬼のような形相をもって。(3.24.04)





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