岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  ジーコの泰然

「ジーコ監督が悠然と構えているから選手もあわてないんです。」
 
 オマーンへの移動中、機内では終始なごやかであったという。
 これを経験というのだろう。
 
 チームマネージャー、選手、サポートを含め、すくなくともいままで日本にはこのようなチームはなかった。
 
 暑さ対策はだいじょうぶか。
 相手の3トップ対策は。
 なぞと不安材料をあげ、より一層不安を煽ってしまう。
 負ければ、
「それ見たことか。だからいわんこっちゃない。」
 
 白状しよう。
 著者自身がその傾向にあった。
 
 
 勝利のみを信じるものに、敗北を想像せよといっても無茶なはなしである。
 勝つということは負けを封印することでしかない。
 
 いまひつようなのは、悠然と構えること。
 準備にはぬかりない。
 われわれはアジアチャンピオンなのだ。
 自信をもて。
 
 ジーコのいいたいことがすこしだけ見えてきたような気がする。
 
「3トップできたら。」
「あわてることはない。」
「暑さにたいしては。」
「重慶のほうがきびしかった。」
 
 ジーコの泰然。
 それは対策をおこたることを意味しない。
 そもそもが次元のちがう事柄なのである。
 
 つまり、
 ジーコがだいじょうぶっていってるんだから、だいじょうぶなんじゃないの。
 
 それでいいのではないだろうか。(10.12.04)





目次へ
fujun_sports