岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  裸足のフットボール

 裸足のフットボール。

 こどもには芝生のうえで、裸足で5号ボールを蹴らせるべきである。

 著者は気がついた。
 はじめから靴をはかせるからパスが下手なのだ、と。
 極論ではない。
 現にその練習をして精度をあげている。
 それがどれほど楽しいことか。
 経験のないものにはわかるまい。

 南米やアフリカ諸国、とりわけ温暖な気候をもった国々の、しかも裸足で生活する。
 フットボールがあるところ。
 かれらには独特のボールタッチが存在する。

 ジネディーヌ・ジダンはかれの独特なターンをこどものころに培ったものだといった。
 なるほど遊びのなかで養われるボールタッチはアカデミックでは生まれてこないし、教えようがない散文、詩、ファンタジーそのものである。
 それを個人技とひとことで括るのは簡単だ。
 が、そこにこそフットボールのフットボールを愉しむ理由がある。
 それを忘れている。

 フットボールをはじめるのはボールを蹴るのが楽しいからで、シューズやユニフォームにあるのではない。
 ともすると靴がなければフットボールをしないという本末転倒型が幅を利かせてはいまいか。

 テクニックは遊びのなかで磨かれる。
 テクニックは遊びのなかでのみ磨かれるのである。

 悪い癖になる場合があるという。
 それはたしかなことだけど、まずは裸足でボールを蹴ってから考えようや。(1.28.04)





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