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アディダスの3本線と西ドイツ
小学生のときは体育着のジャージーが大流行した。
アディダスを見たのはワールドカップ西ドイツ大会で、開催国西ドイツのユニフォームに3本線がはいっていた。
中学生のころのことである。
なにせ高価であったから手にいれることはできなかった。
あるとき、お金づかいのあらい同級生がいて、たしか、かれが濃水色に白い3本線のはいったアディダス社のジャージーの下をはいていた。
それをもらったか、借りたか、とにかくはじめてのアディダスは、ひざっこぞうに大きな穴があいていた。
アディダス社は西ドイツの企業である。
たまたまであろうが、あのころは西ドイツチームが好きであった。
ゲルマン魂という言葉とともに。
苦境にあっても絶対にあきらめない。
西ドイツは簡単に負けやしない、と幼いころのわたしも信じていたほどである。
いまでいえば、アイルランドがそのときの西ドイツを彷彿させる。
黒のトランクスに白のユニフォームが清潔で、鮮やであった。
なぁに、白黒TVであったからすっきりして見えたのだろう。
ただワールドカップに関する情報が絶対的にすくなく、日本のざいでもあり、結果しか入ってこなかった。
サッカー雑誌とてほとんどが月刊誌であったから、推して知るべし。
それでも、のちになってTVで、そのときの試合を見られるようになり、そのときの記憶が、実際の記憶と混同し、まるで西ドイツ大会をTVで見ていたかのような錯覚におちる。
その点でいけば、スペイン大会の西ドイツチームははっきりと覚えている。
カールハインツルンメニゲのチームだ。
TVの実況録画でも見られたし、決勝は深夜、しかも生放送。
固唾をのんで見ていた。(9.24.03)
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