岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  カズ三浦知良選手のために、ラモス瑠偉選手のために、
  史上最強ドーハ組

 ドーハ組は相当に強いチームであったのではないか。

 当時、イラク、イラン、サウジアラビア、韓国、日本とも実力は拮抗し、どのチームが勝っても、負けても不思議ではなかった。
 イラクに引き分けたこととて、よくぞ、と褒めていいのである。

 あのときのイラクはアジア最強であったかもしれない。

 ただ、イラクと引分けたから、ワールドカップへいけなかった。
 このことが敗北におもえてしまうのである。

 よくぞイラクと引き分けたものだ。

 イランに負けたことが結果的に痛手となった。

 左サイドバックの故障で層の薄さが誇張されたきらいはあるけれど、全般としてはザベストチームである。
 そうおもう。

 いわばラモス瑠偉選手の強烈なリーダーシップと檄、柱谷哲二選手の声、カズの決定力、高木琢也選手の高さ、汗かきダイナモの北沢豪選手、ロングフィードの井原正巳選手、2列目からの飛び出しの福田正博選手、スーパーサブ中山雅史選手、とそれぞれの役割をこなしていたのである。

 いまの代表はどうだろう。

 小野伸二選手の強烈なリーダーシップ、中田英寿選手の声、中村俊輔選手の正確な配球、稲本潤一選手の2列目からの飛び出し、ドリブルの本山雅志選手、決定力は、スーパーサブは、高さは、あとはどうだろう。みんな上手なのだけれど、全般としてザベストチームとはいいがたい。

 それは、個とチームのありかたといおうか、ワンフォーオールの精神が明確であったドーハ組と、いまひとつわがままなまま、そこに気がつかず、どこをどうしていいのか見つからないでただ喘ぎつづける、いまの代表との違いである。

 簡単に言えば役割を制御することである。
 カズとラモスのために働くのだ、という明快な論理を、かれらドーハ組はもっていた。

 タカのために、ヤナギのため、ヒデのためにおれは働くのだ、という無私がいまの代表チームには、まったく感じられない。
 強いチームの必要十分条件を満たしていないのである。

 むかし強かったチームは、いまでも強いのである。
 それは、強い理由をもっているからにほかならない。

 強い理由は、決して古びたりはしないものである。(9.13.03)




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