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むずかしいサッカーのニッポン、セネガル戦評
ニッポンの裏側で、6日アルゼンチン対チリ、ワールドカップドイツ大会、南アメリカ地区予選がアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで行われた。
いよいよはじまったか。
10日、ニッポンはセネガルをむかえた。
セネガルに先制されてから、ニッポン選手を追うのをやめ、セネガル選手のボールを追ってみた。
ニッポン選手は、むずかしいサッカーをやっている。
率直な感想である。
せまいところへ、せまいところへ、パスをいれる。
無理な体勢からパスをいれる。
そして、ことごとく繋がらない。
繋がったか、というとオフサイド、またオフサイドをくりかえす。
単調だ。
対するセネガルは、無理をしない。
共有の認識がある。
サイドチェンジ、それとスペースへの配球である。
フリーの選手はどこにいるのか、瞬時に判断し、配球する。
ミスもある。
それはしかたがない。
ただ、その方法は、これといったアイディアや、約束を必要としないはずで、いたってシンプルな攻撃の構成である。
バタバタ、というのがニッポン選手の印象。
対するセネガル選手はボールをころがし、一気にピーク、ゴールへズドーン、という印象。
最近こどもたちといっしょにフットサルをした。
そこで感じたことがすべてとはいわない。
しかし、或る硬直さが気になってならない。
ニッポン選手とセネガル選手の、こどものころのサッカー選手としての育てられかた、フットボールについて教わった中味の違いが、この代表選手同士の試合で、結果として明らかな差異となってあらわれているようにおもえてならない。
それは、スペースを制するものが試合を制する可能性が高いということを、ニッポンの指導者たちは、こどもたちに教えてきていないのではないか、という疑問である。
ひとのいるところにパスをだすことばかりが強調されすぎて、ひとのいないスペースに走る、配球することを、よしとしていないのではないか。
個人プレーと、そしってばかりいるのではないか。
そんな感想をもつ。
中田英寿キャプテンは、決めるところで決めなくては勝てない、という。
しかし、ニッポン選手のスペース扱いに稚拙をみるのは、一度たりともサッカー協会の公式、非公式サッカー教室、コーチ教室で練習、学習したことのない、或る意味で純粋な経験しかもたないものだからこそ、見えるのではないか。
かいかぶりだろうか、勘違いだろうか。(9.11.03)
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