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プロフェッショナル
たとえば、プロ選手が、心身ともに疲弊し、いいプレーができない。
そこで、恩師をたよりに相談をもちかけた。
恩師は選手が生徒時分のまま変わらぬ口調で吶々と。
肩のちからを抜いてやればいい。
人を小ばかにするプレーが、きみの身上じゃないか。
その後、プロ選手はそれまでの不振が嘘のように、かがやきを取戻した。
プロ選手はTVで語った。
恩師との再会が功を奏した、と。
美談でかたづけてはいけない。
これはプロとして、してはならない行為なのである。
プロフェッショナルとは自覚であり、恍惚と不安を同時に背負うことである。
それをよし、としたいじょう、アマチュアにほどこしをうけてはならない。
もし、ほどこされた、としても、いっさいを公言してはならない。
そのきびしさが、さきのプロ選手に欠けている。
たとえば、自他ともに、まな弟子と認めるプロ選手に相談をもちかけられたとして恩師某氏は。
きみはもうすでにプロである。
といことはアマチュアであるわたしを超えたのだ。
プロのきみにアマチュアであるわたしが教えを請うことはあろう。
が、アマチュアであるわたしが、プロであるきみに、なにを教えられようか。
きみはわたしを超えたのだ。
きみを尊敬こそすれ、そのようなことはおこがましいじゃないか。
アマチュアにも分際がある。
プロフェッショナルとはひとりで起つ、この一点につきる。
とすれば、会社勤めにプロフェッショナルらしき人がいても、プロフェッショナルはいないということになる。
サラリーマンがほとんどの国ということは、そのほとんどがアマチュアなのである。(2.24.03)
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