岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  お家芸、バレーボール その1

 松平康隆さんは元全日本の監督である。

 日本代表とはいわなかった。
 いまでこそ代表というが、そのころはあくまでも、全日本であった。

 松平康隆さんはアイディアマンで、集客方法から実況解説まで、まさにマルチプルな活躍でヘッドコーチというよりも、メジャーリーグでいうチームマネージャーであった。
 松平康隆さんの存在はこの国にしてみると、空前にして絶後であろう。

 国内よりも海外で有名なかたである。

 その松平さんですら、プロリーグ化は実現できなかった。

 プロリーグがならなかったから日本は勝てなくなったのか。
 日本代表が勝てなくなったのなぜか。
 ひとことでいえば、工夫がないからではないか。

 いっとき、世界の高さにはスピードのある攻撃で、と対抗したが、返り討ちにあっている。
 高さにはスピードでは対抗できない。
 そもそも高さとスピードとは次元の違う要素である。
 それを対抗手段になりうると思い込んだ協会首脳陣の勘違いなのだ。

 高さには高さで対抗するよりほかはない。

 決め手になるのは、やはり強いサーブと高いブロックである。

 たとえば、選手全員に強いスパイクサーブを義務づける。
 2bを超える選手、最高到達点の世界的水準にある選手をブロックにあてる。
 ときにはブロック専門に4人、5人のサブ枠をあててもよいのではないか。

 重要なことは攻撃に優先順をあたえることである。
 そうすることによって意識の集中をみるからだ。

 最善は、サーブで決着をつける。
 次善は、ブロックで決着をつける。
 この覚悟をもつことからはじめる。

 これこそが、かつて日本のお家芸といわれた、速攻の現代版といえやしまいか。
 どうだろう。(2.14.03)





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