岩井不巡 スポーツコラム
スタジアムで会いましょう

  いいピッチャーは打てないものである

 フロリダ・マーリンズ投手、ジョシュ・ベケット(Josh Beckett)。
 いいピッチャーは打てない。

 そのことを、あらためて知ったワールドシリーズであった。

 たとえ打撃力に優れたチーム(ニューヨークヤンキース)であろうが、集中力にすぐれた選手を抱え(ニューヨークヤンキース)ていようが、いいピッチャーはそう簡単には打ち崩せない。

 いくら機動力に優れようが、塁にでなければ得点はならない。

 一般的にピッチャーはディフェンスに組み込まれる。
 が、ピッチャーとは、オフェンスそのものであり、攻めこそがピッチングの本質なのである。

 逃げのピッチング、というときがあるが、それとてアドヴァンテージは打者ではなく、投手に存するのである。

 投手とは、たんなるディフェンス要員ではない。

 フロリダマーリンズとニューヨークヤンキースとの差は、実はピッチングスタッフのなかの、セットアッパーの出来の違いでしかなかった。

 地方の球団が大都会のチームをやっつける。
 この構図もさまざまな楽しみを用意してくれた。
 その意味でも、首都、首都圏、大都市のチームは強くなければいけない。
 東京読売ジャイアンツも、FC東京も、強くなければならない。

 資金も豊富で、大型トレードはあたりまえ。
 オーナーが目立つことも必要な条件なのかもしれない。(10.26.03)




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