|
|
ヤンキース対レッドソックスレッドソックス
決戦のメンタリティー
0-4の時点ですら、ニューヨークヤンキースは負けない、とおもっていた。
決戦のメンタリティーは、ペドロマルチネスで負けたらしょうがないボストンレッドソックスと、ロジャークレメンス、マリアーノリベラで勝たなければならないニューヨークヤンキースとのちがいであり、差でしかなかった。
途中ペドロマルチネス降板か、アナウンサーはいった。
降板なぞありえなかった。
ことわっておくが、ペドロマルチネスが投げているときは、まだ同点であったことは記憶しておくべきである。
かれは負けてはいない。
もし、ボストンレッドソックスが、ペドロマルチネスで勝たなければならないのだ、ペドロマルチネスを勝たせるのだ、というシンプルで、直截なメンタリティーであったならば、状況は明らかに変っていたはずである。
それほどに実力は伯仲し、それがゆえに勝負は紙一重の、肉眼では絶対に見られないところで決まったのである。
お金持ちの球団が名選手を獲得する、といわれる。
そう見えるのだから、そうなのだろう。
が、プロフェッショナルスポーツの最先端にあるU.S.A.においては、わが国の現況をそのままあてはめてみると見誤ることになる。
端的にいおう。
メジャーリーグでいう高給とは、実は集中力の差なのである。
結果だけを見れば、伏兵が勝利をよびこんだ。
しかし、あの試合、8回土壇場の攻防において、デレクジーター、バーニーウイリアムス、松井秀喜、ホルヘポサダの連携、連打による同点が最大のヤマ場であった。
そのもっともひとびとの脳裏に焼きつくであろう印象的な出来事が起きている、その場所に、めぐりあうという幸運をもち、しかもなお、なすべきことをなす。
かれらこそ選ばれし者の選ばれし者たる所以を、最高の舞台であますところなく見せてくれた。
かれらこそ真のプロフェッショナルであり、すくなくとも高給を得るだけの資格は確実にある。(10.21.03)
|
|
|