*手を繋ぐ* 彼は足が速い。 どこに向かっているのかは知らないけれどいつも急いでいる。 まるで何かを追っているかのように。 知らないというのは嘘。 本当は知っている。 彼が追いかけているのは……私以外の仲間。 私以外の誰か。 知っている。最初に出会ったのが私だったから。 最初に出会った姫が私だったから。 だから彼は私を連れていくの。 私が珠魅だったから? 私が姫だったから? 私がそうでなかったら一緒に居なかった? 決して聞けない言葉。 言えない言葉。 問いたくても問えない言葉。 答えを聞くのが怖いから。 でもね、瑠璃君。 世界はとっても綺麗なのよ。 世界は緑に包まれていて。 キラキラ光っていて。 道端に咲く花も 鳥達の歌声も こんなにこんなに素敵なのに 貴方には聞こえない? 彼の背中がどんどん遠くなる。 それはまるで私と貴方の距離を示しているようで…… 「真珠」 貴方が足を止めて振り返る。 私との距離に気がついたかのように。 「瑠璃君」 私は彼の名前を呼ぶ。 走っていって彼の傍に行った。 「ほら、あの花、凄く綺麗」 瑠璃君に教えなきゃ。 伝えなきゃ。 こんなに綺麗なものがあることを。 素敵なものは沢山あることを。 私は瑠璃君の顔をおそるおそる見た。 どんな顔をしているのだろう。 彼は不思議そうな顔をしていた。 そして、にこっと笑った。 「そうだな、真珠」 伝わった。 気持ちが伝わった。 それは小さな一歩。 ふわっと手が握られる。 瑠璃君が私の手をいつの間にか握っていた。 「一緒に、見て歩こう」 そう言って彼は笑った。 私はそれに笑顔で頷いた。 終。 短文ですが瑠璃v真珠です〜!! 私の瑠璃v真珠といったらこういうイメージでしょうか。 瑠璃君が先走ってしまっていて、それを真珠ちゃんが捕まえている。 ちゃんと、大事なものがあるって伝えてくれる。 そういうイメージです。 攻略本には兄妹のような関係とかかれていたけれど ゲームのイメージ的には兄妹的な未来のカップルって印象。 だから、私は瑠璃v真珠派なのです。 そして「手を繋ぐ」というイメージにぴったりだ!!って思って。 瑠璃v真珠って恋の始まりのイメージv 初々しくて可愛いって感じなのですvv |