05. 雨



空を見上げる
薄いグレー
今日は曇りの日
風は結構心地良くって気持ちがいい
曇りだけど気分が良い
こういう天気も好き

気持ち良い気分で歩く
草木も青々している
なんだか気持ち良い
晴れていないのに気持ちが良い
ちょっと不思議な曇りの日

のんびり歩く
緑の草の茂る道
だけど草木はちょっと元気が無い
最近雨が少ないせい?

そういえば、曇りの日も珍しい
だから気持ちが良いのだろうか

突然、風が変わる
冷たい風に

空を見上げる
薄い灰色をした空は…黒味を帯びていた

嫌な予感がする
早くどこかの屋根のある所へ行かなくちゃ

予感は当たる
ぽつぽつと雨粒が当たってきた

ようやく屋根のある小さな休憩所に辿り着く
そこには簡単な屋根と木製のベンチ
贅沢は言っていられない
通り雨だと信じて雨宿り

ぽつぽつ落ちる雨粒は大きい
その大きな雨粒はどんどん増えていった

ざああああああ
大きな音を立てて大粒の雨が降り注ぐ
水しぶきを避けるために
雨の当たらないところへと移動する

激しい雨だ
先ほどまでは曇っていたけれど
こんなに凄い雨が降るなんて

屋根でよく空の色は見えない
だけど激しい雨は緩む気配がなかった

止まない雨
鳴り響く雨飛沫の音

さっきまでは気持ちが良かったのに
あっという間に気分は暗くなる

止まない雨
一体ここでいつまで立ち往生なのだろう

私の気持ちもしらずに雨は激しく降り注ぐ
まるでバケツをひっくりかえしたみたい
それとも強く水を出したシャワーのようかしら

止まない雨
することもなくて雨を見つめながらベンチに座り込む
止まない雨
いつまで振り続けるというのだろう

だけど雨が降り注いでいるのに
空が明るくなってきていた
遠くでは日が差しているようだ

不思議に思って空を伺う
遠くでは青空が見えてきていた

もうすぐ止む雨
通り雨だから
もうすぐ止む雨
早く止んで、早く止んで

そんな思いに答えるように
日の光が降り注ぐと同時に雨が上がる
ちゃんと雨が上がったのか確認してから外へ出る

空はまだ向こうは曇っているけれど
真上は真っ青の青空だった
先ほどまで無かった太陽の光が
温かくて眩しかった

ふと周囲に目をやる
先ほどまでちょっと元気が無かった緑の草木
雨雫に彩られながらしゃんとしている
元気になったと言っているよう
暗くなった気分が明るくなった

ふと空を見上げて気がつく
空に架かる大きな橋
七色に輝く大きな橋

その美しさに見とれる
ず〜っと見ていたいほど綺麗な虹

だんだんと虹は薄くなり
やがてその姿を消し去った

あたり一面はキラキラと輝いている

それは空からの贈り物

嬉しい気持ちになってまた歩き出す

雨が残した贈り物を見つめながら




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雨といったら虹かな…。そう見れるものでもないので見れたら感動します。
昔、虹が二重にかかっていたことがあって感動した覚えがありますよ。
良いですね、虹。
雨といったら憂鬱〜な方なんですけど逆の発想です。
雨は恵みの雨でもありますしね(^^)。
そんな感じのイメージです。
7割くらい、実体験談ではあるんですけど(^^;)
回想録、突っ走り中(^^;)。